2020年6月24日、SUVの新星「日産・キックス」がデビューした。最大の魅力は、すでにノートやセレナに搭載されて人気を集めているe-POWERだろう。キックスに搭載するにあたって、どのような改良が施されているのか?
レポート:ニューモデル速報編集部
そんなe-POWER搭載の第一弾となったノートe-POWERでは、K13型マーチに搭載された1.6L直4エンジンをベースに3気筒化し、ミラーサイクル化とスーパーチャージャーによる過給でもって、効率を追求。特に街中で電気自動車らしい爽快なフィーリングで走れることを狙った。実際、自動車ジャーナリストの熊倉重春氏は以下のように記している。(「ニューモデル速報 第544弾 ノートe-POWERのすべて」より抜粋)
「アクセル操作に対する反応は鋭い。実用的な速度域でわずかに踏み増した瞬間、これがノートかと驚くほどビクッと時間差ゼロで応える。120km/h以上の高速になると弱まるが、普段よく使う速度域では、並みのスポーツモデルなど顔負けの瞬間ダッシュ力だ。」
続く第二弾として登場したのがミニバンのセレナe-POWERだ。当時、競合車のトヨタ・ノア/ヴォクシーとホンダ・ステップワゴンがハイブリッドを設定していた中で、セレナにとって起死回生の一手だった。
1.2L直3エンジンを発電に使う点は変わらないが、インバーターなどの改良によって、ノートe-POWERと比べて出力で20%、トルクで30%向上させた。また、セレナe-POWERでは、早朝や深夜などに住宅街を静かに走れるマナーモードと、バッテリーへの充電を優先するチャージモードが新たに設定された。
そんなセレナe-POWERの走りについて、自動車ジャーナリストの青山尚暉氏は以下のように語る。(「ニューモデル速報 第568弾 日産セレナe-POWERのすべて」より抜粋)
「モータートルクが瞬時に立ち上がるレスポンスの良さから、まさに意のままに大柄な3列シートの電気自動車を動かしている感覚になれる。同時に運転がよりしやすいと感じられるのだ。」
さらに、従来のe-POWERから発電のタイミングを変更した。特に20〜60km/hでのエンジン始動の頻度を大幅に下げ、これまでe-POWERで指摘されていた発電に伴うエンジン音の存在感を削減。遮音材なども追加することで、より静粛性が高められている。