ピニンファリーナが5月16日に東京・渋谷で日本の最新のモバイルキャリアである、楽天モバイルの新しいコンセプトストアのデザインを発表した。そして実店舗は楽天モバイル渋谷公園通り店として同日づけでオープンされた。これまで新型コロナウイルスによる自粛営業を行なっていたが、5月27日より正常営業を再開した。
ピニンファリーナは自動車のデザイン企業として知られるが、ピニンファリーナ・エクストラという自動車以外のデザインを担当する部門も有しており、これまでも多くの実績を残している。なかでも2006年のトリノ・オリンピックのトーチのデザインを手がけたことでも有名。制作にあたっては、このエクストラをはじめとするピニンファリーナ・グループの手によって行なわれたものだ。
今回の開発に対して、ピニンファリーナは建築とユーザー体験の分野での複合的な機能を店舗に折り込み、ブランドの価値と魅力を表現する3階建てのショップを完成させた。連なる3層の空間は、表情を変えさまざまな旅を可能とする。生命力とエネルギーに満ちた、ユニークな体験を生み出す狙いを持っているという。
こうした楽天モバイルのブランディングは、細かい模様の壁紙からスマートフォンホルダー、他のディテールにも表現される。また、このスペースは自然なインタラクションを促進し、フィジカルとデジタルが共存することを可能にすると同時に、カスタマイズされた体験を生み出し、デジタルサービスへのアクセスを容易にするという。
カラーリングの中で、アクセントとして用いられているマゼンタは楽天のイメージカラー。その配色によって、テクノロジーが光や自然の要素と融合し活気ある雰囲気を生み出している。さらに、天然木や竹を使用するなど、自然と調和した空間を演出している点もポイントだ。
1階はユーザーのサポートの場となり、スマートフォンやその他のデバイスの展示エリア。来場者は自由に閲覧したり、フロントデスクや快適なラウンジに座ったままサービスを受けられる。
2階は専用の製品やサービスの販売エリアとなる。新たな世代へのサービスのあり方を想定しているため、ユーザーはソファーに座りながら、オペレーターとダイレクトでフレンドリーなつながりを持たせることができる。
3階はブランドの最先端に特化し、プレミアム・ユーザーに対して絶え間なく変化する環境で新製品や新技術を最初に体験したり、オンラインで購入した商品を受け取るなどが可能なエリアだ。コーヒーエリアも利用でき、訪問者がリラックスした時間を過ごすことができる。
自動車のカロッツェリアとして知られるピニンファリーナだが、マヒンドラ・グループとなってことでその活動の場はさらに広くなっている。そんな現状を象徴するかのようなニュースといえるだろう。
また2015年にミュンヘンにヘッドクォーターを設立されたアウトモビリ・ピニンファリーナは、マヒンドラ・グループ100%出資による自動車メーカーで、プレミアムなEVの生産を計画している。2019年にジュネーブショーで発表され2020年に市販化が発表されたバティスタは、このアウトモビリ・ピニンファリーナGmbHで開発され、デザインをイタリアのピニンファリーナSpAが担当した。 グループ企業として単なるデザイン企業だけでない(これまでも一部生産も担っていたが)、総合自動車メーカーとしての顔も持ち始めた。
このバティスタについては、新ためてレポートしたい。