これまで数多くのクルマが世に送り出されてきたが、その1台1台に様々な苦労や葛藤があったはず。今回は「ニューモデル速報 第62弾 新型マークⅡ/チェイサー/クレスタのすべて」から、開発時の苦労を振り返ってみよう。
新型マークⅡの開発を率いた渡辺忠清(主査)は、新型の狙いについて以下のように語った。
「マークⅡはハイパーソナルカーという位置づけで、いわば小型車の最高のポジションにある。そうした特色をさらに強化するために、静かさや乗り心地の向上に力点を置いた。これまでは装備やデザインは良いが、走りの面で弱いと言われてきた。足回りはこれまでの機構を一新して、設計の自由度の大きいダブルウイッシュボーンを採用した。これでクラウンの高級感と、ソアラの持っている走りのイメージを加味して、ハイパワーパーソナルカーに仕立てよう」
また、先代よりもマークⅡ、チェイサー、クレスタの印象を異なるものに仕立てる工夫が施された。例えば、ボディパネルもほとんど共通のものを使っていないという。さらにクレスタにはプレスドアを採用してキャビンとボディの一体感を高めている。チェイサーとマークⅡのハードトップでも、キャビンの形状を変えるなどしている。一方で、プロポーションの美しさを見せるために、全体的なデザインのまとめ方は共通させた。基本的なディメンションは同じだが、販売チャンネルのために3つ子車種にしているといった印象を無くす配慮がなされた。