三菱電機は、総務省から第5世代移動通信システム(5G)の実験試験局免許を取得し、新たなビジネスやサービスの創出に向けたローカル5G※の実証実験を同社の名古屋製作所(愛知県名古屋市)で開始する。
※ 地域や産業などの個別のニーズに応じて自治体や企業などが利用できる特定エリア向け5G
今回の実証実験では、ローカル5G基地局と三菱電機のFA(ファクトリーオートメーション)製品との無線通信伝送性能の技術検証を行い、今後、実証実験で得た知見などをFA製品をはじめとする幅広い製品やサービスで活用していく。
超高速・超低遅延・多数同時接続を特長とする5Gは、将来の社会インフラを支える技術として期待されている。5Gの周波数帯は主に通信事業者に割り当てられるが、IoTの普及など通信ニーズの多様化が進んでいることなどから、総務省は自治体や企業も利用可能な5Gを「ローカル5G」として2019年12月に制度化した。
三菱電機では、これまで培ってきた通信システム技術や5G関連の基礎技術などを活用し、ローカル5Gシステムと自社製品を組み合わせた、ワンストップで構築・提供できるソリューションの開発を進めている。今般、5Gの実験試験局免許を取得し、ローカル5Gの実証実験を開始する。今後、実証実験で得た知見などを総合電機メーカーとしての強みである幅広い製品やサービスに活用するとともに、顧客やパートナー企業との連携による新たなビジネスやサービスの創出を目指す。
開始日:2020年5月18日
場所:三菱電機株式会社 名古屋製作所(愛知県名古屋市東区矢田南五丁目1番14号)
実証実験の内容:
1. ローカル5G基地局を介したFA製品同士の5G通信接続および5G通信性能の技術検証
2. ローカル5Gユースケースの検討(遠隔での運用保守作業支援、AR/VRを活用した作業効率化など)
使用周波数:28.2GHz~28.3GHz
今後、三菱電機の他事業所での実証実験も順次開始するとともに、同社事業所や研究所へのローカル5G環境の整備を推進していく。また、新たなビジネスやサービスの創出に向け、顧客やパートナー企業との共同研究や実証実験の場として「5Gオープンイノベーションラボ」を2020年度中に同社の情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に設置する予定。