前回、筆者がレストアベースのラビット・スーパーフロー125を路上復帰させるまでにかかった経費を紹介した。総額で43万円以上かかったのが安いか高いかは、持ち主の価値観次第で様々だろう。では中古車を買う場合、どの程度の金額が必要になるのだろう。個人売買、プロショップ双方の相場を調べてみた。
前回の記事でレストアベースのラビットを買い、自分で直して路上復帰させた場合の金額を紹介した。車両本体価格を含め、乗り出しまでにかかったのが43万9714円。でもこの金額はあくまで筆者の場合であって、例えばボディを直さないでいいなら15万円ほど安くなる。エンジンのオーバーホールをしなければクランクシャフトの加工代やベアリング、オイルシールなどの部品代も必要なかった。路上復帰に必要最小限の整備だけに止めるなら、おそらく車両代以外にかかったのは15万円ほどではないだろうか。
このように見てみると、古い鉄スクーター代表であるラビットのS301に乗るなら、どのような方法を選んでも30万円以上、40万円前後の金額が必要になるという結論だ。もちろん、どの方法を選んでも買って乗っているうちにトラブルは出るから修理代や部品代は必要になる。決して安い買い物ではないということだ。
意外な落とし穴は”燃料代”
ラビットに乗り出して驚くのがオイル代だろう。オイル代とは2サイクルオイルのこと。ラビットはガソリンにオイルを混ぜてエンジンを動かす2サイクル方式を採用している。現在2サイクルエンジンの市販車は世界中探してもごくわずかしかないが、80年代90年代くらいまでの小排気量バイクでは定番方式だった。比較的新しい年代のモデルだと2サイクルオイルは燃料タンクと別にオイルタンクがあり、オイルポンプによりガソリンと混合してくれる分離給油方式が多い。だがラビットのように古いモデルだと燃料タンクにオーナー自らオイルを混ぜてあげる必要があった。そして問題は、混ぜるオイルの比率なのだ。
ではそのラビット、手放すときの価格はいくらになるのだろう。現在はバイク買取業者がネットにたくさん広告を出している。愛車を高く手放す方法として、これら業者を複数、同時に呼びつけて査定をさせるといいなどがネットに書かれている。だが、相手がラビットだとどうだろう。おそらくネット査定では10万円以上つくかもしれないが、実際に業者が見にきた場合、5万円になるかどうか。これが現実だ。
実際に筆者も愛車を業者に見てもらったことがあるのだが、レストアベースを買った時の金額にもならなかった。だとするなら、ヤフオクなどで個人売買に出すのが一番お得ということになる。