4月27日、フォルクスワーゲンは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止を余儀なくされていたドイツ・フォルフスブルグの本社工場での生産を、段階的ながら再開したと発表した。
再開第一週目で約1400台、第二週目で約6000台をラインオフへ。それでも生産台数は通常時の約40%
同工場には約8000名の従業員が復帰し、まずは新型「ゴルフ」から生産を再開。当初は稼働率をフル生産時の10〜15%に縮小し、生産サイクルを長くしながら1シフト体制で臨み、最初の一週間で約1400台をラインオフする。なお、生産再開にあたっては、従業員の健康を保護するための対策が大幅に強化されている。
4月29日からは「ティグアン」と「トゥーラン」に加えて、セアトの「タラコ」も生産を再開する。マルチシフトによる体制は来週から導入される見通しで、そうなると一週間あたり約6000台の生産が可能となるが、それでもこの生産台数は通常稼動時の約40%にとどまる。
今回の生産再開により、ドイツに拠点を置く約2600社のサプライヤーも、同本社工場向けの生産を再開。一方、販売店の約70%は営業を再開し、カスタマーに納車できるようになっている。
このたびの発表に際してフォルクスワーゲン乗用車ブランドのラルフ・ブランドシュテッターCOOは次のようなコメントを発表している。
「生産の段階的な再稼働は、従業員、販売店、サプライヤー、そして経済全体にとって、象徴的な意義があります。しかし、これは今回の危機を乗り越える第一歩に過ぎません。ドイツをはじめヨーロッパ全域で需要を刺激し、生産量を継続的に増やすには、さらなる対策が必要です」