4月13日にお披露目され、大きな話題を呼んだトヨタの新型ハリアー。1997年登場の初代はクロスオーバーSUVの先駆者的存在だったが、SUVが傍流から本流へと発展を遂げた今、6月発売が予定されている4代目の周囲には、多士済々な競合車が揃う。新型ハリアーのキャラクターを再確認するため、そうしたさまざまなキャラクターを擁するライバルとボディサイズなどを比較してみたい。
新型ハリアーは、先代よりも全長が15mm、全幅が20mm拡大された一方で、全高は30mmほど低められた。ホイールベースは30mm延長されている。よりスタイリッシュさを増した一方で、居住空間の拡大も図られているようだ。
新型ハリアー同様、GA-Kプラットフォームを採用するRAV4は、全幅はほぼ同等(アドベンチャー以外の全幅は1855mm)だが、全高は30mm高いうえに、全長が130mmも短い。ホイールベースは新型ハリアーと同じ2690mmなので、その分、オーバーハングが切り詰められているわけだ。短いオーバーハングはオフロードでの悪路走破性の向上に貢献するから、RAV4のキャラクターにも適している。
レクサスの2台は、ちょうど上下からハリアーを挟み込むようなボディサイズとなっている。NXの全長は新型ハリアーよりも100mm短く、RXは250mm長い。なお、今回取り上げる7台のなかで唯一RXは2列シートのほかに3列シート仕様も用意されている。そちらはさらに全長が110mm長くなるから、RXは新型ハリアーとは別セグメントのSUVと言えるだろう。
ここまではトヨタ内での同門対決が続いたが、他メーカーのライバルに目を向けてみよう。マツダCX-5は新型ハリアーと同様、都会的なキャラクターをまとうが、ボディサイズは新型ハリアーよりも全長が195mm短く、30mm背が高い。そのためサイドビューを比べると、新型ハリアーの方が伸びやかなシルエットに見える。
スバル・フォレスターは今回取り上げたSUVのなかでは最も幅が狭く、背が高い。最低地上高に最も余裕があるのも、フォレスターである。また、他車が駆動方式にFFを取り揃えているのに対して、フォレスータでは4WDのみであるのも特徴で、オフロード志向のキャラクターを反映した仕様となっている。
続いて、パワートレーンのラインアップを見ていこう。
新型ハリアーのエンジンは2.0ℓ直4+CVTと、2.5ℓ直4+THSIIの2種類。先代ハリアーからはエンジンが刷新され、ハイブリッドの2.5ℓエンジンは2AR-FXEからA25A-FXSへ、2.0ℓエンジンは3ZR-FAEからM20A-FKSへと世代交代が果たされている。
RAV4は、新型ハリアーと同じパワートレーンを搭載する。ただしRAV4のピュアエンジン車のみ2種類の4WDが用意されており、前後だけでなく左右の後輪トルクも独立して制御する4WDシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」が選べるのが特徴だ。
NXは2.0ℓ直4ターボエンジンを搭載し、8ATが組み合わされる。ハイブリッドは、新型ハリアーやRAV4と同じ、2.5ℓ直4+THSIIだ。
RXはNXと同様、2.0ℓ直4ターボ+8ATを採用するが、ハイブリッドのエンジンが3.5ℓV6となるのが大きな違いだ。
なお、新型ハリアー、NX、RXの駆動方式は、すべてのパワートレーンでFFと4WDが選択可能となっている。RAV4のみ、前述の通り、4WDシステムの選択肢が多い。
マツダCX-5は、なんと4種類のエンジンをラインアップする。2.0ℓ直4、2.5ℓ直4、2.5ℓ直4ターボ、そして2.2ℓ直4ディーゼルターボだ。マツダらしいのがトランスミッションで、全エンジンに6ATが組み合わされるほか、ディーゼルでは6MTを選択することができる。駆動方式は2.0ℓ直4はFFのみ、その他はFFと4WDが揃う。
スバル・フォレスターは2.0ℓと2.5ℓ、2種類の排気量の水平対向4気筒エンジンを採用する。2.0ℓ版はCVTにモーターが組み込まれたハイブリッド仕様で「e-BOXER」と呼ばれるものだ。駆動方式は全車4WDである。
さて、そうしたパワートレーンの構成を踏まえて、各車の価格帯を見比べてみよう。新型ハリアーの価格は残念ながら未公表なので、省いている。
こうしてみると、RAV4とCX-5、フォレスターの価格帯が被っておりライバル関係を構築している一方で、ハリアー(先代)はやや上級な価格が与えられているのがわかる。そして、レクサスの2車は、それらよりも明確に高価格帯に位置している。
新型ハリアーは安全装備をはじめとする装備類の充実化に伴い、価格帯はやや上昇するはず。しかし、レクサスの領域へ踏み入ることはないだろう。先代同様、RAV4以上・NX未満の価格帯になるのではないだろうか。