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日産リーフ e+ G(62kWh) 航続距離を気にしなくていいEVになったリーフ。今度は別の気になることが……


日産リーフ e+(イープラス)は、バッテリー容量を40kWhから62kWhへ拡大したモデルだ。WLTCモードで一充電走行距離は458km。現行リーフの完成形とも言うべきリーフe+に試乗した。

400km走れたら、充電器のことは気にならない

WLTC交流電力量消費率:161Wh/km 一充電走行距離WLTCモード:458km

 初代リーフが発表されたのは2009年8月。日産がEVに社運を賭けたと当時、みなが思ったものだ。いわゆるEarlyAdapterである筆者は(単なる新しモノ好き)、とりあえず日産のリーフの予約サイトに登録したのを憶えている。発売は2010年12月だった。世界初の量産EVとして華々しく発売されたが、その後の経緯は皆さんご存知のとおり。


 原子力発電前提の深夜電力を使うことで、当時のEVの普及シナリオは描かれていたはずだ。その前提が2011年の東日本大震災でもろくも崩れ、リーフは国内では計画通りのセールスをあげられていない。


 新しモノ好きもあって、初代リーフは何度も試乗させていただいた。ロングドライブもしてみたし、少し長くお借りしてEVのある暮らしの真似事もさせてもらった。


 だから、基本的にEV肯定派である。モーター駆動の気持ちよさを知ってしまうと、エンジン駆動が古臭く感じされるし、その静粛性の高さも魅力だ。電力の電源構成を考えるとEVが必ずしもCO2削減できるわけではないことも理解しているが、国のエネルギー政策の是非を考えながらクルマを選んだり乗ったりする人は少ない、要はクルマは「カッコいいか、経済的か、使い勝手はいいか、気持ち良いか」である。

全高が1565mmあるから、ボディのボリューム感はかなりある ボディ色はイメージカラーのプレミアムコロナオレンジ/スーパーブラック2トーン8万2500円

 初代リーフのデザインもわりと好きだったし、未来的なインテリアも好感を持てた。問題は「航続距離」。そしてそれにともなう「充電」だった。仕事柄長距離ドライブをする機会が多いし、それに対して充電器は少なかった。電池容量も小さく、フル充電しても走れる距離は短かった。だから、リーフを選べなかった。

全長×全幅×全高:4480mm×1790mm×1565mm ホイールベース:2700mm

トレッド:F1530mm/R1545mm 最小回転半径:5.4m
車重:1680kg 前軸軸重960kg 後軸軸重720kg


モーター形式:交流同期モーター モーター型式:EM57 定格出力:85kW 最高出力:218ps(160kW)/4600-5800rpm 最大トルク:340Nm/500-4000rpm 40kWh仕様のモーターは同じEM57型だが最高出力:150ps(110kW)/3283-9795rpm最大トルク:320Nm/0-3283rpmとなる

 じゃあ、航続距離に心配がなくなれば、リーフは買いなのか? それを確かめるためにリーフe+を借り出した。




 現行2代目リーフは2017年に登場。62kWh仕様のe+は2019年1月に発売されている。


 横浜の日産グローバル本社の地下駐車場でリーフe+を預かったとき、航続距離は「393km」となっていた。WLTCでも航続距離が458kmだから約86%。まぁそんなもんだろと思ってハンドルを握る。


 2代目になって、ずいぶんとスタイリッシュになったリーフ。普通になったとも言える(個人的には初代、好きです)。座ってシフトレバーを初代と同じように操作して走りだすと初代と同じようにスーッと動いた。

室内長×幅×高:2030mm×1455mm×1185mm

175cmの人が前後に座ると、後席膝周りにはこぶしひとつ分の余裕がある。が、着座位置が高いので、やや違和感がある
e+ Gのシートは本革表皮だ


 乗った感じは初代とよく似ている。それもそのはずで、2代目は初代のプラットフォームをキャリーオーバーしている。EM57型モーターも基本は同じ。違いはアクセルを離したときに、グーっと強い回生ブレーキがかかる「e-Pedal」を採用していることだ。


 今回の試乗中、「航続可能距離+走行距離」は概ね「400km」となっていた。走り方、エアコンのON/OFF(ONにすると10-15kmほど航続可能距離が短くなる。が、その程度で済むのも現行型の良いところ)で多少変わるが、「e+なら400km走る」ということでいいと思う。

CHAdeMOによる急速充電

横浜横須賀道路の横須賀PAの急速充電器は1基。幸い充電待ちのクルマはなかった

左が急速充電用の口。右が普通充電用。CHAdeMOのコネクターはごつくて重い
横浜横須賀道路横須賀SAの急速充電器。急速充電器は7800基 普通充電器は2万2500基、全国にあるという。


 仕事を終えて自宅に乗って帰る。55km走ってモニターには、PM9:15で「今から充電開始するとPM11:50に充電完了」と表示が出ている。これはもちろん200Vの普通充電での時間だ。毎日帰宅したら、翌朝にはフル充電された状態=400km走れる状態で乗り出せるわけだ(自宅に充電設備はないので、充電せず)。


 翌日、いつもの試乗コースへでかけた。往復150km程度だから、電池容量はまったく心配ない。これは精神衛生上とてもいい。


 


 路面の荒れた第3京浜での乗り心地は、初代リーフと同じようにちょっとばたつく。日産得意のプロパイロットは、スカイラインの2.0ではないので、手離しはできない。プロパイロットの有用性には疑問はないが、ステアリング制御はスカイラインの「凄腕ドライバーのハンドルさばき」ほどではないから感動はない。まぁスカイラインが現時点で、トップランカーであるからだが。

もちろん充電施設は簡単に検索できるし、条件(急速かそれ以外か、無料か有料かなど)検索もできる
これが充電用のカード


充電器には、こんなに注意書きがある。全部読みたくない……

 今回は3日間、リーフをお借りしていたのだが、3日間なら充電する必要はなかった。それでも、日産の広報担当さんから「急速充電もしてみてくださいね。これがカードです」と言われた手前、東京に戻る途中の横浜横須賀道路の横須賀PAで試してみることにした。




 リーフ(日産)のせいではないのだが、CHAdeMOの急速充電は洗練されているとはいえない。コネクターは大きくて重いし(女性では手に余るのではないか)、操作パネルもわかりやすいとはいえない。注意書きがたくさん書いてあって読む気にならない。しかも遅い。現在のCHAdeMOの急速充電器は最大出力が50kWがほとんど。


 テスラ のモデル3で、テスラ・スーパーチャージャー(120kWの急速充電器)の急速充電を試したことがあるが、手軽さ(コネクターは軽いし、単に差し込めばだけ)とスピードはとても魅力的だった。10分で100km走行できる分の充電ができた。




 さまざまなEVに対応しなければいけないCHAdeMOと自社規格だけを考えたテスラ ・スーパーチャージャーを比べるのは忍びないが、ユーザーには関係ない。より手軽に、よりスピーディに充電できるようにするのは、リーフだけでなくCHAdeMOの急務だろう。




 とはいえ航続距離が400kmあれば、急速充電器のお世話になることはめったにないのではないか。そもそも月に何度も往復400km以上のドライブをする人は、いまはEVを選ばないだろうし。

日産のHPより。800km/月なら(3年契約で)2500円/月で充電できる

 リーフe+は、バッテリー容量(航続距離)を気にしないで使えるEVになっていた。となると気になるのは他のところだ。


 インテリアが500万円のクルマとは思えないほど安っぽい。初代はそれでも未来的だったインパネが現行型ではごくごく普通になってしまった。EV=未来感という安直な発想と言われてしまうかもしれないが、買う人は500万円分のなにかが欲しい。高級感でも上質感でも未来感でもいい。


 コンベのエンジンのクルマでもHEVでもPHEVでも、いわゆるADASやコネクティビティの機能は充実している。リーフがその分野でも先頭を走っている印象が薄い。テスラ・モデル3のインテリアは、「なんだかよくわからないけど、これは新しいぞ」と思わせるものだった。いまのリーフは、単に1.5ℓコンパクトカーのインテリアと大差ないように思える。




 プロパイロットもe-Pedalも、リーフでなくとも体験できる。モーターによる駆動の気持ち良さもそうだ。

リヤサスペンションはTBA(トーションビーム)式
フロントサスペンションはストラット式


トランクは深め。容量は充分にある。

インテリアは、良くも悪しくも1.5ℓコンパクトカークラス並み。もっとスペシャル感がほしい
タイヤはタイヤ 215/50R17 91Vのダンロップ・エナセーブEC300。タイヤもせっかくならブリヂストンのologicなどの方が、先進的に(もちろん航続距離も延びる?)見えるような気がする


 航続距離という足かせがなくなったリーフe+は、EVのというより、自動車としての魅力をどこにもってくるか、というフェイズに入ったのではないか。それはリーフが進化を遂げたから次のステップへいく過程ということもできる。




 500万円(補助金があるから430万円くらい)でリーフを、EVを購入するのは、やはりアーリーアダプターとLEAFtoHOMEのようなV2Hの「自動車以外のEVの機能」を買う層だろう。


 EVでは先行していたはずの日産が、欧州・北米市場でテスラ、その他の自動車メーカーの後塵を拝するようになったのはなぜか。




 おそらく次期(3代目)リーフは、EV専用プラットフォームでまったく新しい電気自動車になるだろう。EVの先駆者として、ぜひ巻き返してほしい。


 せっかく、「航続距離を気にしないでよくなった」のだから、次はクルマとして欲しくなるリーフになってほしいと思った。




 いろいろ書いたが、リーフe+、肩肘はらずに普通に使えるEVになっている。買って不便することはないだろうし、自宅に LEAFtoHOMEを導入できる人にとっては、とても魅力的なクルマに仕上がっている。

将来、再生可能エネルギーによる発電が主になれば、文字通り「ゼロ・エミッション」となる

環境性能割(0%)、自動車重量税3万円が免税、自動車税の減税額1万8500円、国の補助金が42万円、東京都のEV助成金 30万円(令和2年度の受付開始は4月下旬以降)で72万円の補助金がでる。となると車両の価格は427万8400円となるわけだ。補助金申請をしたら4年間の保有が義務付けられる

日産リーフ e+ G(62kWh)


全長×全幅×全高:4480mm×1790mm×1565mm


ホイールベース:2700mm


車重:1680kg


サスペンション:Fストラット式 Rトーションビーム式


モーター形式:交流同期モーター


モーター型式:EM57型


定格出力:85kW


最高出力:218ps(160kW)/4600-5800rpm


最大トルク:340Nm500-4000rpm


電池:リチウムイオン電池


総電力量:62kW


総電圧:350V


WLTC交流電力量消費率:161Wh/km


一充電走行距離WLTC:458km


車両価格○499万8400円


メーカーop:


プレミアムコロナオレンジ/スーパーブラック2トーン8万2500円


後席クッションヒーター+後席ヒーター吹き出し口+高濃度不凍液2万7500円


ディーラーop:


ディーラーオプション


LEDフォグランプ 7万239円


ドライブレコーダー 3万9777円


ウインドウ撥水12ヶ月 1万285円


トノカバー 2万166円


デュアルカーペット 3万4426円

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