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ホンダ・N-BOXを皮切りに、購入候補の筆頭に挙げられるほどの人気を集めるスーパーハイト系の軽自動車。ただ、「家族みんなで寛げる室内空間」や「自動ブレーキを搭載」などを列挙されるだけでは、「どれを選んでも大差がないようだし、とりあえずランキング上位のクルマにしよう」と思うかもしれない。「どれも一緒」に見えるからこそ、わずかな差にこそ注目して欲しい。
REPORT:ニューモデル速報編集部
自販連(日本自動車販売協会連合会)が発表する統計によると、2020年2月に販売された乗用車のうち、ベスト3はトヨタ・ライズ(9979台)、日産・ノート(9913台)、トヨタ・カローラ(9898台)だという。
乗用車はいずれもあと一声で1万台の大台に届くのに対して、軽自動車の販売台数はホンダ・N-BOX(1万9177台)、日産・デイズ(1万5495台)、ダイハツ・タント(1万4496台)、スズキ・スペーシア(1万3945台)と軒並み1万台を突破。特に上位に食い込むスーパーハイト系は、公道を走る姿はもちろん、ショッピングモールや住宅の駐車場で頻繁に姿を見るほど人気カテゴリーだ。
たしかに、「ホンダ・N-BOX」も「ダイハツ・タント」も「スズキ・スペーシア」も、それから発売されたばかりの「日産・ルークス」も、室内空間の広さには圧倒される。その上、エアコンやサンシェードといった快適装備も充実しており、自動ブレーキなどの安全装備も搭載されていると聞けば、日常生活レベルならこの4台から選ぶのが賢明だろう。近くの販売店を訪ねて、値引きの良いクルマが買えれば、なお良い。しかし、本当にそれで良いのだろうか?
◼️広いのは当たり前、その広さをどう活かすか?
スーパーハイト系で人気の4車種(N-BOX、ルークス、タント、スペーシア)は、いずれも後席の乗員が脚を組めるほど室内空間が広いのが最大の魅力だ。特に子育てファミリーからのニーズが高く、チャイルドシートに座る子供の世話を効率よくこなせるかで違いが生じる。その際に注目したいのが、シートのスライド量だ。
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助手席にロングスライド機構を備える「N-BOX」と「タント」は、後席のチャイルドシートに子供を座らせたら、そのまま運転席にアクセスすることができる。
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一方で「ルークス」は後席スライド量を大きく取っている。これによって、前席との間隔を埋めつつ、荷室フロアを稼ぐという一石二鳥を実現しているのだ。
そのほかにも、センタータンクレイアウトの採用による「チップアップ機構」(N-BOX)や、ドアピラーを内蔵した「ミラクルオープンドア」(タント)による1490mmもの開口幅といったユニークなアイデアもある。
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◼️各種機能の作動条件に注目!!
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各車の違いとして挙げられるのが安全装備だ。いわゆる「自動ブレーキ」や、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐ誤発進抑制機能、車線からのはみ出しを警告する機能などは各車で名称が異なるものの全車に標準装備されているが、作動条件に違いがある点に注意。
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さらに、アダプティブクルーズコントロールの有無にも注目したい。レーダーやカメラを用いて車線や先行車を認識し、高速道路での巡航を安全かつ快適にしてくれる機能だが、これにも作動する条件に違いがある。また、グレードによっては装着されないこともある。
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スーパーハイト系で人気の4台とも「広くて便利」なことには変わりないが、「販売ランキングやクチコミでの好評判=自分に合う」とは限らない。しっかりとライフスタイルを考えた上で、ベストな1台を選んで欲しい。