日本特殊陶業は、現在開発中の基地局向けおよび携帯端末向けの5Gミリ波向けアンテナモジュールで、28GHzでデータ通信が可能であることを実証した。
モジュール化にあたっては、半導体向けパッケージの製造で培ってきた同社のコア技術である多層基板技術を適用することで、5Gの要であるミリ波を扱う回路(RF回路)とアンテナの一体化(AIP: Antenna in Package)を行い、また材料には、ミリ波帯で必要となる高周波特性(低誘電損失*1)に優れ、耐環境性(吸水率0%、高耐熱性、耐候性)や放熱性も備えた自社開発の低損失LTCC*2材 ”NOC”*3 を用いることで伝送損失の低減を実現した。
■基地局向けアンテナモジュールの特長
バンド幅 n257対応(2.3GHz) *将来的に3GHzに対応
利得 10dBi以上(4x4アンテナ)
拡張性 4x4を1ユニットとしたアレイ化が可能(8x8、16x16...)
■携帯端末向けアンテナモジュールの特長
偏波 垂直&水平偏波同時に使用可能
バンド幅 n257/258対応 垂直,水平偏波=6GHz以上(39GHz帯も将来的に設計)
CDF 0.9dBi以上 (Min. at 50% -tile CDF. アンテナ2個/端末)
放射方向 PKG側面から放射
*1誘電損失 電気エネルギーが配線上を伝わる信号の熱として失われる度合いを表す指標
*2 LTCC Low temperature co-fired ceramic:低温焼成セラミックス
*3 NOC Non-Crystallized Glass System:低損失ガラス組成