プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)が中国の鉄鋼メーカー、首鋼京唐鋼鉄聯合有限責任公司向けに納入した連続酸洗ライン(CPL)が稼働を開始した。
年間約150万トンの熱延鋼板を処理するように設計されたこの酸洗ラインは、中国河北省の曹妃甸区に新設されたプラントの第2期工事の一環として受注したもので、自動車、バス、トラックの製造で使用される高付加価値製品やあらゆる重工業用途向けの超高張力鋼(UHSS)処理専用設備となる。
このCPLでは、厚さ0.8~7.0ミリメートル、幅750~1,630ミリメートルの熱延鋼板を酸洗することが可能で、コイルの取り扱い能力は最大33.6トンである。入側鋼板速度は650メートル/分、酸洗処理は320メートル/分、出側セクションでは400メートル/分にまで達する。
酸洗セクション前に強力なスケールブレーカ―を、酸洗セクションは5槽の横型乱流酸洗槽と酸循環システムを、酸洗後は5区画に分かれたリンス槽と水循環システム、および鋼板乾燥装置を設置した。これらの工程を経た鋼板は次に調質圧延機とテンションレベラーを通り、サイドトリミングされた後、検査ステーションを通過して要求の表面品質に達していることを確認する。ラインの出側セクションにはフライングシャーが設置された。プライメタルズテクノロジーズはCPLの主要機器全てのエンジニアリング、製造、供給のほか、電気およびオートメーション機器の納入、並びに据付けと試運転の指導も行った。関連の土木工事および酸洗ラインの据付けは本工事の顧客である首鋼京唐が担当した。
首鋼京唐は2018年度実績で鉄鋼生産量約2,730 万トン/年を誇る中国最大の鉄鋼メーカーの首鋼集団の一員で、複数のCPL、連続焼鈍ラインおよび連続亜鉛メッキラインを操業してあらゆる炭素鋼を加工しているが、現在は主に自動車用外板や内板製品などの高付加価値製品の製造に注力している。