ホンダ・フィットとトヨタ・ヤリス(ヴィッツから改名)という2大プレーヤーが新型に切り替わった2020年。日産ノートとマツダのMAZDA2という強力なライバルもいる。果たして、この競合ひしめくコンパクトカー市場。どうなっているのか?どうなっていくのか?
トヨタの新型ヤリス、ホンダの新型フィットともに、力の入ったニューモデルだ。二月下旬現在のフィットの受注台数は、月販目標台数1万台に対して2万4000台となっている。販売開始の2月の登録台数は8221台と新型ヤリスの3491台を上回っていいスタートが切れている。
対するヤリスも2月10日の発売から1カ月にあたる3月9日時点で受注台数は約3万7000台で月販目標(7800台)の約5倍と、好調な立ち上がりと発表されている。
ここでわかるのは、
ホンダ・フィットの月間目標台数:1万台
トヨタ・ヤリスの月間目標台数:7000台
となっていることだ。月間目標台数とは、モデルライフを通じてのアベレージを言うことが多いから、モデルチェンジ直後は新車効果で目標は楽にクリアしておかなければいけない数字である。
さて、このマーケットをここ数年制してきたのは、日産ノートだ。デミオ改めMAZDA2も含めた4モデルのここ4年間の販売台数を見てみよう。(自販連のデータから)
こうしてみると、1位ノート 2位フィット 3位ヤリス(ヴィッツ) 4位MAZDA2という順位はここ数年ほぼ固定(2016年はフィットがトップ。2019年は2位がヴィッツ)。
直近の2020年2月の販売台数は
1位:日産ノート9913台
2位:ホンダ・フィット 8221台
3位:トヨタ・ヤリス 3491台
4位:マツダMAZDA2 2397台
と順位は変わらない。
価格はそれぞれ、主力グレードは
ヤリス ハイブリッドG:213万円
ホンダ・フィット e:HEV HOME:206万8000円
ノートe-POWER X:205万9200円
MAZDA2 XDプロアクティブSパッケージ:215万6000円
値引きがどうなっているかはわからないが、ほぼ210万円±5万円に入る。
2019年でいえば、4モデルともに決して新しいクルマではなかった。そのなかでノートがトップを走れていたのは、ひとえにe-POWERのおかげ。2016年11月に発売されたノートe-POWERは2019年7月までの累計で25万台を達成している。ノートの7割がe-POWER搭載車なのだ。
新型ヤリスの販売当初のハイブリッド比率は約45%だから、コンパクトカーのユーザーは、モーター駆動がスタンダードになりつつある、といえるかもしれない。新型フィットのe:HEVも高速道路以外では実質モーター駆動となる。モーター駆動のノート(e-POWER)、新型フィット(e:HEV)とシリーズパラレル式のヤリス(ハイブリッド)となると、MAZDA2のパワートレーンは、SKYACTIV-D1.5という優れたディーゼルを擁するものの少々分が悪い。
次期MAZDA2は、ロータリーエンジンを使うレンジエクステンダー(つまりモーター駆動)のパワートレーンも用意するといわれている。日産ノートも遠からずフルモデルチェンジを受け、さらに効率高いe-POWER専用エンジンを積むはずだ。
おそらく4モデルすべてが新型に切り替わった2021年がどうなるか。日産ノートが王座を守れるのか。注目だ。