ショーファーカートして、海外の賓客や企業のVIPを送迎することが念頭に置かれ、海外で先行発売されたグランエース。広大な室内空間こそ世界共通だが特に国内仕様では、内装の装飾やサスペンションセッティングなどもさらに上質に磨きがかけられ、違いのわかるエグゼクティブを満足させるクオリティに仕上げられた。
REPORT●安藤 眞(ANDO Makoto)/編集部
※本稿は2020年3月発売の「グランエースのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
贅沢にくつろげる6人乗りと多人数乗車可能な8人乗りを設定
荷物の積載性は乗車定員で差異が発生
死角がなく開放的な見晴らし
バッテリーも快適な設置場所
大人数乗車でも後方視界は良好
ルームミラーには、光学/デジタル切り替え式を採用。光学式にしておけば、焦点移動の少ない自然な視界が得られ、デジタル式に切り替えれば、荷物や乗員数にかかわらず、常に広い視界が確保できる。
豪華なシートだが乗降性も問題なし
ステップだかは少々高め
国内仕様はさらに上質な空間に
モノコックながら骨格断面を大きくとり剛性を確保
剛性を高めて操縦安定性を獲得する
タイヤからの大入力を効率良く受け止める
ブレース追加で効率的に強化
ラテラルロッドの入力点も強化
ダンパー取り付け部のねじれ変形を抑制
ダッシュまわりを念入りに遮音
環状骨格構造で剛性を向上
B/C/Dピラー部には全周閉断面骨格を配置。フロアからアッパーボディに立ち上がる部分も単純な「突き当て構造」とはせず、コーナー部に筋交い構造ができるよう形状を設計。荷重伝達の流れを効率良く伝え、剛性を確保する。
要所にのみハイテン材を採用
大開口部は接着剤を追加して強化
ルーフ骨格も溶接で接合
バックドアの開口も高剛性
アッパーボディの遮音材を使い分け
下面を広範囲にカバーして空力性能を向上
スペアタイヤカバーにも空力性能を付加
各部が強化された国内最大のマクファーソンストラット式サスペンション
サス形式の特徴を最大限に活用
アンチリフトとリヤサスストローク確保のための施策
操舵力の低減とノーズダイブの抑制
ブレーキ安定性と操舵性向上
フル乗車でも安定性を確保
直進性と制動性の安定に貢献する
安定性が高められたリヤサス
ブレーキペダルのタッチとコントロール性を向上
周波数感応式アブソーバー
油圧パワステのシリンダーも最大級
パワフルな2.8ℓクリーンディーゼル
エンジンはランドクルーザープラドにも搭載される1GD-FTV 型。排気量2.8ℓのターボディーゼルだ。最高出力は130kW、最大トルクは450Nmと絶対値的には大きいが、トルク特性はフラットで、「必要な仕事を淡々とこなす」プロユース向けキャラクターだ。
エンジン型式:1GD-FTV
排気量(㏄) :2754
種類・気筒数:直列4気筒直噴ターボ
弁機構:DOHC16バルブ
ボア×ストローク(㎜) :92.0×103.6
最高出力(kW[㎰]/rpm) :130[177]/3400
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm) :450[45.9]/1600-2400
使用燃料:軽油
高性能な直噴インジェクター
形状最適化が図られた燃焼室付きピストン
可変ノズルベーン式ターボ
尿素SCRシステムで排気をクリーンに
ワイドな変速比を持つ6速ATを搭載
国内開発された尿素インジェクター
ガソリンエンジン用の燃料噴射ノズルをベースに、デンソーと共同開発した尿素水インジェクター。丸い円盤は、排気熱を放熱してインジェクターを守る冷却フィンだ。
浄化効率向上のキーポイント
酸化触媒も併用