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バイクのエンジンに味わいを求めるなら、モトグッツィV9ローマが適任だ。


友人から「味があってストリートを楽しく走れるバイクない?」と聞かれたら「モトグッツイがいいんじゃない?」と答えることが多い。最近のバイクは排気音やテイストも重視されるようになってきてはいるけれど、モトグッツイ伝統のVツインってヤツには、昔ながらのテイストが残っている。特に今回紹介するV9ローマはいい。エンジンの排気音やフィーリングを重視するのであれば一度は乗って欲しいと思う。




REPORT●後藤 武(GOTO Takeshi)


PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

MOTO GUZZI・V9 ROAMER……1,270,500円

ネイキッドとクルーザーの中間的な性格

 カタログを見るとV9ローマは、クルーザーという位置づけになっているけれど、実際の性格としてはネイキッドとクルーザーの中間という印象。クルーザーっていうと高速道路をクルージングするゆったりとしたバイクをイメージしてしまいそうだが、このバイクはカウルもないシンプルなスタイル(試乗車にはオプションのメーターバイザーが装着されていた)。車体も200kgを切っていてストリートでも扱いやすい。




 フロントに19インチ、リアに16インチホイールを採用していることもあってシート高は低く抑えられ、フロントが持ち上がった姿勢になっている。このことが安定感のあるハンドリングやリラックスしたポジションを作り出している。

昔ながらの味わいのあるVツインエンジン

 モトグッツイのエンジンは、昔からの縦型Vツインというレイアウトを頑なに守りながら、そこに最新の技術を加えて熟成させてきた。だから最新の性能や信頼性を確保しながらも昔のバイクらしいテイストが強く残されているのが最大の特徴。




 一口にグッツイのVツインといっても排気量やモデルによって性格は異なるのだけれど、今回紹介するローマのエンジンは低中速を重視。不等間隔爆発のエンジンは力強いツインの鼓動感と排気音を生み出す。


 空冷OHV2バルブのエンジンは古めかしい感じもするが、実際に走らせてみると非常に扱いやすくて面白い。実用域での力強さと滑らかさは他に比べるものがないくらい。大きなホイールとクランクを大きなトルクで回しているから、力強いだけでなく、スムーズで扱いやすく、低回転でも粘る。そこからスロットルを開ければ一発一発の爆発が路面を蹴っていくような力強さで加速していく。


 その代わり、高回転まで引っ張ってもパワーが盛り上がることはない。このあたりの特性は人それぞれ好みが分かれるのだけれど、街を普通に走っているだけでも楽しめるこの特性はとても魅力的と思う。そして低中速だけを使っても十分にスポーティな走りを楽しむことが出来る。




 交差点を何気なく立ち上がった時でもスロットルを開けた瞬間、リアタイヤにトルクがかかって車体が安定し、ズドドドというVツインの太いトルクと排気音を感じながら立ち上がっていく。余裕のトルクで走る楽しさは格別。「やっぱりビックサインはこうじゃなきゃ」と思うのである。

ストリート向けのハンドリングだが・・・

 ハンドリングもストリート向きの味付けになっている。フロントが安定していて直進性が高いし、ブレーキも良く効いてコントロールしやすい。サスペンションも良く動くから乗り心地も良好。ポジションもアップライトでとても乗りやすい。足つきも悪くないしハンドルの切れ角もあってU ターンも楽にできる。850ccのビックバイクとしては、気軽にストリートを走ることが出来る。


 ただ、試乗したマシンの場合、低速でマシンを倒すとステアリングが切れ込んでしまう傾向があった為、腕でハンドルを押さ気味にしなければならなかったのが唯一残念なところ。サスやタイヤには問題が無さそうなので、これはマシンの特性なのかもしれない。




 と、若干気になったところはあったものの、総じて言えばとても魅力的なマシン。ノンビリとしたツーリングにはピッタリだしストリートをクルマの流れに乗って走っているだけでも楽しい。その気になれば多少のスポーティßな走りにも対応できる。ライフスタイルに広がりを持たせてくれそうなマシンである。

足つきチェック

リアホイールが16インチということもあってシートは低く足つき性は良好。199kgと軽い車重のおかげで停車時の不安感はない。



ディテール解説

フロントホイールは19インチのキャスト。ブレーキはシングルだが軽量な車体ということもあってストリートなら制動力、タッチ共に十分。

リアホイールは16インチ。駆動はシャフトドライブ。リアショックは大きくレイダウンされて装着されて乗り心地も良好。

サイレンサーはクラシカルなデザインのメッキ。音量も抑えられているが加速時は心地よいVツインサウンドを響かせる。

エンジンはV7シリーズの排気量を拡大して850cc。燃焼室形状を変更した新型シリンダーヘッドを採用している。

オプションのメーターバイザーはマシンのイメージを崩すことなく、高速巡航時、ライダーの体に当たる風を和らげてくれる。

幅の広いパイプハンドル。ボジションはアップライトなポジションでマシンのコントロールもしやすい。

アナログのスピードメーターの中にはデジタルで様々な情報を表示。スマホとブルートゥースで接続し様々な情報を得ることもできる。

シンプルな左のスイッチボックス。モードスイッチを操作することでメーターの表示を変更することが出来る。
右のスイッチボックは上からハザード、キルスイッチ、セルスターターという配置。


タックロールの入ったシートのスポンジは薄めだが座り心地は悪くない。タンデムシートは小さめ。

シートはワンタッチで取り外すことができヒューズやバッテリーのチェックが可能。収納スペースは設けられていない。

主要諸元

エンジン:4ストローク 空冷90°V 型 2 気筒 OHV 2バルブ


総排気量:853cc


ボア × ストローク:84㎜×77㎜


最大出力:40.44 kW (55 HP) / 6,250 rpm


最大トルク:62 Nm / 3,000 rpm


燃料供給方式:マレリ製電子制御燃料噴射システム


始動方式:セルフ式


トランスミッション:6速リターン


クラッチ:乾式単板


フレーム:高張力鋼管モジュラーダブルクレードル


フロント サスペンション:Φ40㎜ 油圧式テレスコピックフォーク 130mmトラベル


リア サスペンション:ツインショックアブソーバー スプリングプリロード調整可能 97mmトラベル


フロントブレーキ:320㎜ステンレスシングルディスク ブレンボ製異径対向 4ピストンキャリパー


リアブレーキ:260㎜ステンレスディスクフローティング2ピストンキャリパー


フロントホイール:2.5 x 19 アルミダイキャストホイール


リアホイール:4.0 x 16アルミダイキャストホイール


フロントタイヤ:100/90-19"


リアタイヤ:150/80-16"


全長/全幅/全高:2,240㎜/ 865㎜/ 1,165㎜


シート高:785㎜


ホイールベース:1,465㎜


燃料タンク容量:15ℓ


車両重量:199kg ※燃料を除く全ての油脂類を含みます


ユーティリティ:USB充電ポートx 1 (Max 1A)


セーフティシステム:MGCTトラクションコントロール、ABS


製造国:イタリア
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