コンパクトカーカテゴリーをリードする新型ホンダ・フィット、トヨタ・ヤリス、日産ノート、そしてスズキ・スイフト。この魅力的な4モデルのインパネ、シート、ラゲッジスペース、スペックを横比較してみた。
REPORT●塚田 勝弘(TSUKADA Katsuhiro)(身長=171㎝)
ホンダ・フィット e:HEV LUXE
全高:1540mm
全長:3995mm
ホイールベース:2530mm
全幅:1695mm
ミラー to ミラー: 1965mm
開口高:600mm
ソフトな感触の内装材を用いたモダンなリビングのようなデザイン。水平基調のインパネにより、すっきりとした視界を確保する。デジタルメーターの中央上部に速度計を配し、その下に車両設定などの各種インフォメーション画面を配置。
シビックやアコードといった上級車種と骨格を同じくする前席は座面が分厚く、輸入車を含めたコンパクトカーの中でもトップクラスといえる座り心地だ。後席も厚みを感じさせるシートや広い足元空間のおかげで快適性は高い。
広大な開口部、低く抑えられた地上開口高により積載性は良好だ。ワイドな荷室は通常時でも奥行きがあり、6対4分割可倒式の後席を前倒しすると、ほぼフラットのまま拡大できる。
トヨタ・ヤリス HYBRID G
全高:1500mm
全長:3940mm
ホイールベース:2550mm
全幅:1695mm
ミラー to ミラー:2015mm
開口高:700mm
スマホ連携、T-Connect対応のディスプレイオーディオを全車に標準化するほか、販売店オプションで従来型のナビ(ナビキット)も設定する。写真はハイブリッド専用のデジタルメーターで、中央の画面にエネルギーフローなどを表示する。
前席は少し低めの位置に座らせる設計で、とくに背もたれが大きく、身長171㎝の筆者には不足を感じさせない。後席は少し高めに座らせるパッケージングで、足元は狭いが、大人4人が無理なく座れる空間は確保されている。
全長が比較的短いため奥行きはそれなりだが、荷室幅は十分に確保する。開口部下側から荷室まで実測で約170㎜の深さがあり、リヤゲートを開けた際に荷物が転がり落ちにくくなっている。
日産・ノート e-POWER NISMgO S
全高:1535mm
全長:4165mm
ホイールベース:2600mm
全幅:1695mm
ミラー to ミラー:1990mm
開口高:620mm
NISMO専用となるフラットボトム型の本革・アルカンターラ巻きステアリングをはじめ、随所に施されるレッドのアクセントがノート随一の武闘派であることを演出する。メーターにもNISMOのロゴが入る。
抜群のホールド性が得られるNISMO専用スエード調スポーツシートは、シートハイトがなく、ステアリングもチルトのみでテレスコピックは備わらない。後席は、前席座面下につま先が入る程度だが、足元は広く、頭上にも余裕がある。
取り外し可能な荷室ボードは、上下2段に設定可能。上段に設置すると、開口部と床面との段差が小さくなる。下段に設置すると荷室高を約80㎜稼げる。
スズキ・スイフト HYBRID SL
全高:1500mm
全長:3840mm
ホイールベース:2450mm
全幅:1695mm
ミラー to ミラー:1870mm
開口高:630mm
ドライバー側を向く操作系などをはじめ、立体的な造形のインパネ。シルバー加飾などによりスポーティムードが強調されている。サテンメッキ付き2眼メーターは、真下に「0」を配してレーシーな雰囲気を盛り上げる。
低い位置に座らせるパッケージング。前席は、振動吸収性が高いウレタンが採用され、ホールド性の高さも実感できるスポーティシートを採用。後席の足元は少し狭いが、前席下への足入れ性は良好で大人でも実用的な空間を確保する。
全長が短いため、荷室奥行きもやや短い。6対4分割可倒式の後席を倒すと、フロアに少し段差は残るが178ℓから500ℓに容量は拡大。開口高も低く抑えられていて荷物を出し入れしやすい。