トヨタ新型ヤリス(THS II)とホンダ新型フィットe:HEV(i-MMD)というコンパクトハイブリッド車の主役がモデルチェンジを果たした。コンパクトなハイブリッド車といえば、トヨタにはアクアがある。この3モデルを比べてみよう。
アクアは安い!
トヨタ・アクアのデビューは2011年暮れ。実質の販売は2012年からと考えても9年目に入ったロングセラーモデルだ。
1.5ℓエンジンにTHSⅡ(トヨタ・ハイブリッド・システム)を組み合わせたというところは、新型ヤリスハイブリッドと同じだが、新型ヤリスはプラットフォーム(TNGA GA-B)、エンジンから一新されている(アクアは直4の1NZ-FXE型、ヤリスは新開発直3のM15A-FXE型)。
とはいえ、ロングセラーになっているだけあって、燃費や価格のバランスがいいクルマだ。
アクアでもっとも廉価なLグレードが181万8300円。
新型ヤリスでもっとも廉価なハイブリッドXが199万8000円
新型フィットe:HEVでもっとも廉価なe:HEVベーシックが199万7600円
つまり、アクアはヤリス、フィットより18万円ほど安いのだ。
新型ヤリスが発売されたいま、現行アクアの販売がいつまで続くのかは不明だが、現状、もっとも手軽に買えるフルハイブリッド車である。
サイズを見てみよう
アクアとヤリスのホイールベースは、2550mmで同寸。全長はアクアの方が11センチも長いのだ。そしてアクアの方が全高も低い。つまり、アクアの方が低く長いのだ。
これに対して新型フィットe:HEVは、アクアとヤリスの中間の長さ、そして3モデルでもっとも車高が高い。
画角が違うので比較は難しいが、アクアとヤリスを重ね合わせてみよう。
室内が広いのは?
室内の広さは、必ずしもカタログデータと体感では一致しないが、明らかに新型ヤリスは全席優先で後席は狭そうだ。
アクア:室内 長2015mm 幅1395mm 高1175mm
ヤリス:室内 長1845mm 幅1430mm 高1190mm
フィット:室内 長 1955mm 幅1445mm 高1260mm
室内長ではアクアがもっとも長いが、幅と高さを考えると、新型フィットがもっともルーミーな空間を持っていると言えそうだ。
燃費で、アクアを最新のヤリスとフィットと比べるのはハンデが大きい。が、比べてみよう。
トヨタ・アクア JC08モード燃費:38km/ℓ
である。
新型ヤリスハイブリッドのモード燃費は驚異的だ。
HYBRID X(FF)
WLTCモード:36.0km/ℓ
市街地モード 37.5km/ℓ
郊外モード 40.2km/ℓ
高速道路モード 33.4km/ℓ
FIT eHEV BASIC FF
WLTCモード:29.4km/ℓ
市街地モード 30.2km/ℓ
郊外モード 32.4km/ℓ
高速道路モード 27.4km/ℓ
となっている。アクアのみ、JC08モードだから直接比較はできないが、燃費だけをとりあげれば
新型ヤリスハイブリッド
トヨタ・アクア
新型ホンダ・フィットe:HEV
という順に落ち着きそうだ。デビューから長い時間を経ても高い燃費性能を有するのは、THSⅡの基本的の性能の高さによるものだろう。
とはいえ、ここまで燃費性能が高いと、年間1万km程度の走行では燃料代で大きな違いはない。価格と使い方、最新のコネクティビティ機能が必要か、などなどを考えて選ぶことになるだろうが、モデル末期のアクア、きっと値引きも期待できそうだ。新型のヤリス、フィットに基本性能では太刀打ちできないが、お買い得感でポイントを稼ぐかもしれない。