2月7日、日産自動車は「GT-R NISMO」2020年モデルの走行シーンをサーキットトラックで撮影するために、“カメラカー”として特別に仕立てたもう一台のGT-Rの存在を紹介した。
「GT-R NISMO」2020年モデルについていける唯一のカメラカー
カーメーカーが新型モデルを紹介するとき、しばしばそのモデルの走行シーンを捉えた動画や写真が紹介される。そこで必要になるのが“カメラカー”の存在だ。今回、日産は2020年モデルの「GT-R NISMO」の走行シーンを撮影する際、カメラカーとして特別に仕立てたもう一台の「GT-R」を用意。その舞台裏を紹介している。
こうした撮影用の車両としては、高性能SUVを選ぶのがこれまでのセオリーだった。しかし、カロ氏が究極のスピードで走行するカメラカーという夢を実現し、サーキットを疾走する「 GT-R NISMO」2020年モデルを走りながら撮影するには、もう一台のGT-Rが必要だった。
カロ氏は、「高性能なカメラカーの開発を考え始めてすぐ、GT-Rだけが基準を満たすクルマだと気がつきました。スーパースポーツカーとしての高い動力性能と四輪駆動、優れたハンドリングと走行安定性を備えており、カメラシステムを操作するクルーを全員乗せるためのシートも備えています。候補となるモデルは他にはありませんでした」と語る。
GT-Rの場合、いつも4座席すべてを使用しているオーナーは多くない。しかし、撮影では通常、カメラクルー全員が乗車する必要がある。運転席のカロ氏のほかに、ジンバルを操作するスタッフやフォーカスプーラー、そしてディレクターなどクルー全員が同時にクルマに乗らなければ、高速で疾走する世界最速のクルマを高解像度のビデオで美しく撮影することは不可能。GT-R史上、最も速く最も高性能な「GT-R NISMO」2020年モデルを撮影できるのは、GT-Rをおいて他に存在しなかったのだ(撮影はクローズドサーキットにておいて、万全の安全対策のもと実施)。
カロ氏は、「GT-Rには写真やビデオ撮影で乗ったことがあり、素晴らしいクルマであることは知っていました。今回、このGT-Rを高速カメラカーに改造し、トラックを走る世界最速のクルマを撮影してみて、改めてその性能、信頼性、安定性へ深い敬意を抱きました。このGT-Rと同様の撮影を可能とするクルマは他には存在しません。撮影を重ねるにつれて、チームメンバーの感動も高まりました」と振り返る。
ドイツのユーロスピードウェイ ラウジッツで行われた「GT-R NISMO」2020年モデルの試乗会では、「GT-R NISMO」とGT-Rのカメラカーが互いに追いかける姿を披露。この模様を記録した映像は、YouTubeやさまざまなSNSにて、すでに数百万回再生されている。