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〈マツダCX-30〉美しさに見とれるクロスオーバー【ひと目でわかる国産新型車の魅力】コンパクトSUVレビュー


WLTCモード燃費:19.2km/ℓ ※「XD」系のFF車


月間登録台数:1509台(9月〜12月平均値)




REPORT●工藤 貴宏(KUDO Takahiro)/小林 秀雄(KOBAYASHI Hideo)


PHOTO●平野 陽(HIARNO Akio)/中野 幸次(NAKANO Koji)


MODEL●菅原 樹里亜(SUGAWARA Juria)[身長160㎝]




※本稿は2010年1月発売の「2020年 国産新型車のすべて」に掲載されたものを転載したものです。

車体の基本構造は「マツダ3」と共通だが、ホイールベースを短くして4.4mの全長としている。スタイリングは実用性を高めるために後方までほぼ低くならないルーフと、それにも関わらず流麗な雰囲気を持つ。

■XD L Package


全長×全幅×全高(㎜):4395×1795×1540


室内長×室内幅×室内高(㎜):1830×1490×1210


ホイールベース(㎜):2655


トレッド 前/後(㎜):1565/1565


車両重量(㎏):1530


エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ


総排気量(㏄):1756


最高出力(kW[㎰]/rpm):85[116]/4000


最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):270[27.5]/1600-2600


燃料タンク容量(ℓ):48(軽油)


トランスミッション形式:6速AT


駆動方式:4WD


サスペンション:前 ストラット 後 トーションビーム


ブレーキ:前 ベンチレーテッドディスク 後 ディスク


最小回転半径(m):5.3


WLTCモード燃費(㎞/ℓ):18.4


タイヤ・サイズ:215/55R18


車両本体価格:330万5500円

先進安全装置(MAZDA PROACTIVE SAFETY)

基本的な先進安全装備は全車に搭載するが、一部装備はグレード差がある。たとえば渋滞でハンドル操作をアシストする「クルージング&トラフィックサポート」は「PROACTIVE Touring Selection」以上に標準装備。

ボディカラー

※1は3万3000円高 ※2は5万5000円高 ※3は6万6000円高。

マツダCX-30の3つのポイント

1.マツダ新世代商品群第二段のクロスオーバー


2.流麗なスタイリングと使いやすい室内の両立


3.SKYACTIVE-Xの採用
全長:1540㎜ 全幅:1795㎜
ミラー・トゥ・ミラー:2040㎜ 開口高:755㎜


全長:4395㎜ 最小回転半径:5.3m

全長は4.4mとコンパクトなサイズだが、それを感じさせない伸びやかなフォルムがCX-30の特徴。単なるマツダ3の車高アップではなく、ボディサイドのラインなど、よく見ればまったくの別物とわかる。車高は多くの立体駐車場に対応する1550㎜以下なのはうれしい。

エンジン&ホイール

2.0ℓガソリンNA、1.8ℓディーゼルターボに加え、次世代技術である火花点火制御圧縮着火(SPCCI)を採用するスカイアクティブ-X2.0をラインナップ。全車基本6速ATで、ガソリン車には6速MTも用意。

全車18インチアルミを装着。「X」系グレードは高輝度ダーク塗装。「20S」FF車には16インチアルミがOP設定。

乗降性

〈前席〉シート高:630〜660㎜ ステップ高:420㎜

地面に立った状態からの腰の高さの変化が少なくて乗り降りのしやすいシート高。さらに、ドア下部にフロントスピーカーが無いことで足先がドアに当たりにくい。

〈後席〉シート高:650㎜ ステップ高:430㎜

CX-30は天井の傾斜が少なく、そのメリットは乗降時にアタマが天井に当たりにくいことでも感じられる。ただ、ドア開口部の幅は自慢できるほどではない。

インパネ

インパネ正面は、メーターやエアコン吹き出し口を左右対称のレイアウトとしてドライバーを包み込む感覚。一方、正面から左側にかけては柔らかな水平基調として開放感を演出している。

メーター

すべてアナログのように見えるが、速度計は7インチのTFT液晶を採用して状況に応じて表示を変化させる仕掛け(指針も液晶)。

前席



CX-30はシート高の調整幅が広く、下げると包まれ感のあるスポーティな感覚、逆に高くするとSUVらしい見晴らしの良いポジションが取れる。骨盤をしっかり支えるシートは、見た目以上に身体とのフィット感が高く包み込む感覚が強い。

後席



床に対して着座位置を高めたパッケージングなので、短めの全長ながら後席もしっかりと広さがある。シートが立体形状でフィット感が高く、姿勢保持性は良好。ただ、背もたれが少し立ち過ぎに感じる。

うれしい装備

なんと、CX-30は廉価グレード以外に電動開閉式のテールゲートを奢るのだからなんともゼイタク。国産車では珍しい、リッドを閉じた後にドアロックするボタンも組み込む。

ウォッシャー吹き出し口をアームに内蔵したフロントワイパー。ウォッシャーを吹いた直後にワイパーで拭き取るのでウォッシャーが視界の邪魔をしない。
「PROACTIVE Touring Selection」以上には、シートヒーターに加えドライバーの手を温めるステアリングヒーターも装備。


通信端末が全車に組み込まれて いて、緊急の際はSOSボタンでコールセンターにつながる。事故発生時には自動で発報。
センターコンソールボックスはたっぷりの前後長と深さが自慢。さらに取り外しできる仕切りも備える。


360°ビューモニターには、左右の前輪付近を拡大する機能を搭載。狭い場所を通る際や、クルマを路肩に寄せる際に重宝する。
ディスプレイ脇の赤外線カメラや赤外線LEDで、ドライバーの状態をモニタリング。疲労や眠気を検知して注意を促す。


トラクションコントロールのオフスイッチをはじめとする走行機能系のボタンを運転席の右側にセット。

ラゲッジルーム

通常時:最小幅1000㎜ 奥行き800㎜
後席格納時:高さ750㎜ 最大奥行き:1630㎜


ラゲッジルームには弟分にあたる「CX-3」との明確な差がある。CX-30は明らかに広いのだ(容量はCX-3の350ℓに対して430ℓ)。通常時でも畳んだベビーカーとスーツケースが同時に積める容量があり、トノカバーまでの高さもしっかり確保しているのが実用的。広い開口幅も自慢だ。

使い勝手撮影車両データ

インテリアカラー:クロス・グレージュ


オプション装備:―

〈開発者コメント〉ファミリーユースはクロスオーバーが主流になる。

佐賀尚人(さが・なおひと) 商品本部主査

CX-30はマツダにとって、マツダ3、CX-5に続く第三の基軸車種にしたいと思っています。コンパクトクロスオーバーは今後、アメリカも含めて今のCX-3より大きめのサイズが主流になっていくと考えています。CX-30はCX-3とCX-5の中間のサイズですが、より多くのお客様にマツダに乗っていただくには、このサイズは外せないと判断しました。ファミリーユースで使われるクルマは、この種のクロスオーバーが世界の主流になっていくでしょう。CX-30はマツダ3以上に間口の広いお客さまに乗っていただくことになると思いますが、CX-30はアップライトな姿勢が取りやすく、視界も広いので、運転しやすく感じていただけると思います。

〈TOPICS〉新世代ガソリンエンジン SKYACTIVE-Xを搭載

2.0ℓガソリン、1.8ℓディーゼルターボに次ぐCX-30第三のパワーユニットが、SKYACTIV-X2.0。これはガソリンエンジンとディーゼルエンジンのいいとこ取りをした世界初の燃焼制御技術を持つエンジンだ。超希薄混合気を自己着火させるため、火花点火による圧力上昇を利用している。

バイヤーズガイド

マツダは車種やグレードで安全性に差をつけないよう考慮してはいるものの、「PROACTIVE」は安全・快適という観点で欲しくなる装備が揃っている。エンジンは常用域での扱いやすさではディーゼルが上。AWDは制御が賢く、一度でも雪上などで走らせると惚れ込むことうけあい。よって、AWDの「XD」の「PROACTIVE」以上がオススメ。

ガソリンエンジンにはベーシックグレードとして「20S」が加わる以外は、3つのエンジンともにラインナップ展開は共通。いずれのグレードにもFFと4WDが用意される。また、ディーゼルエンジン車以外では6速MTを選ぶこともできる。

20S PROACTIVE Touring Selection

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