TomTom(トムトム)は、2019年の世界57ヵ国416都市における交通状況の調査結果をまとめた「トムトム・トラフィック・インデックス」を発表した。
今回の結果では、日本国内では 東京の平均渋滞レベルが前回調査比1ポイント増の42%となった。これはドライバーが交通渋滞に 巻き込まれ、平均42%余分に運転時間を要し、時間に換算すると通常所要時間30分であるところ、およそ13分もの時間を余分に費やしたことを意味する。そのほかの都市では、大阪(36%)が日本国内 第2位に、次いで名古屋(33%)、札幌(30%)、神戸(26%)となった。
世界全体では、インド・ベンガルールが平均渋滞レベル71%を記録し、世界で最も渋滞が激しい都市第1位となった。次いで、第2位にフィリピン・マニラ(71%)、第3位にコロンビア・ボゴタ(68%)となった。
【トムトム・トラフィック・インデックス 2019年版 要旨】
・アジア圏のランキングでは、東京がトップ10に第9位でランクイン
・世界ランキング全体でみると、前回25位であった東京が32位と渋滞レベルが回復した。そのほかの日本の都市では、大阪(57位)、名古屋(85位)と続き、札幌(133位)、神戸(178位)においてはトップ100圏外となった
・名古屋は前回調査(2018年版)より1ポイント増加
・神戸は日本で唯一渋滞レベルが改善された都市で、前回調査比1ポイント減の26%を記録
・東京、大阪、および札幌において、毎週金曜日に渋滞が悪化する傾向が見られた。東京においては、金曜日の午後5時から6時の間は渋滞レベルが73%となり、世界第1位のインド・ベンガ ルールの平均渋滞レベルを上回る結果となった
・東京および名古屋において、2019年で最も渋滞が激しかった日はいずれも11月22日であった。これは当時予定されていたG20愛知・名古屋外務大臣会合の開催やローマ法王の訪日によ る大規模な交通規制に影響されたものとみられる。これにより東京では、渋滞の影響でドライ バーはおよそ71%もの時間を余分に運転に費やした。これは所要時間30分の運転に対して約21分余分に時間を費やしたことに相当する
・時間帯別では、東京、大阪、および札幌において、午前7時から8時および午後5時から6時が最も渋滞が激しかった
・調査対象都市全体の平均は前回より0.07ポイント微増し29%となった
・インド南部の都市ベンガルールは渋滞レベル71%を記録し世界の平均渋滞ランキング第1位となった
世界的にみて、交通渋滞は過去10年で増加傾向にあり、前回調査と比較し、調査対象都市全体の57%にあたる239都市において渋滞レベルの悪化が見られた。対照的に、減少を記録したのは全体のわずか15%である63都市に留まった。
トムトムのトラフィックインフォメーション部門バイスプレジデントのラルフピーター・シェイファー氏(Ralf-Peter Schaefer)は次のようにコメントしている。 「渋滞の解消は世界的にも長い道のりです。将来的には自動運転車とカーシェアリングサービスの台頭が渋滞の緩和に貢献することになりますが、それが実現するまでの間、交通当局は公共政策の構想や立案をただ待つというわけにはいきません。重要な交通インフラの決定を行うには、ありとあらゆるツールを活用し、渋滞レベルとそれによる影響を分析する必要があります。また、個々のドライバーにも、渋滞解消に向けた果たすべき役割があります。運転習慣のわずかな変化でさえも、結果として大きな違いを生む可能性があります」
トムトム・ライブトラフィックサービスは、インシデントと混雑度をリアルタイムで分析し、交通渋滞の発生を事前に予測することで、高度なルート計算と正確な到着予定時刻(ETA)の割り出しを実現し、トムトムのナビゲーションソフトウェアをより正確なものにする。これは、トムトムの世界数百万台もの車のトラフィックテクノロジーを保有するマーケットリーダーとしてのポジションを確固たるものにする。
トムトムトラフィックサービスは、交通状況を認識および予測し、ドライバー、フリート管理およびロジスティクスプロバイダー、配車やフードデリバリーなどのオンデマンドサービス、ならびに交通管理サービスが負担する時間や燃料、それらに伴う負荷を削減する。また、自動運転車向け高精細(HD)マップや、電気自動車の効率的なルーティングおよび充電は、トムトムが手掛ける運転の未来に関する事業は、自動車メーカー、テクノロジー企業、交通当局および政府が交通渋滞を緩和するツールをすでに持っていることを意味する。
交通渋滞の対策について
目的地に向けて出発する前に、道路状況を確認し、そのときの最適な交通手段を検討する。
最短のルートであっても、衛星ナビシステムの走行ルートが案内する交通量の少ない道路を運転するのは、不安に感じるかもしれない。実際に目にするまでは、道路が渋滞しているか分からない場合もある。最新のナビゲーションを活用して、リアルタイムの交通データに基づく代替ルートを選択することを推奨する。
渋滞は通常その土地ごとに一定の時間帯においてピークを迎える。これは調査対象都市における各曜日および各時間帯の平均渋滞レベルが報告されているトムトム・トラフィック・インデックスの調査結果で明らかにされている。これらの情報を参考に、出発時刻を適宜調整することを推奨する。出発時刻を早める、あるいは遅らせることで、渋滞を回避できることがある。
移動手段が必ずしも車でなければならないことはない。出発時刻を調整できないときは、ライドシェアリング、公共交通機関、または自転車の活用など、別の移動手段をご検討頂きたい。
モビリティの改善は、共同の努力により実現するものです。地方自治体、自動車メーカー、交通信号システムプロバイダー、駐車施設、交通情報プロバイダー、シェアードモビリティプロバイダー、スター トアップ企業、そしてなにより、個々の市民が一体となって、世界中の都市を実験し、変革している。それぞれの都市にてどのような活動が行われているか、そしてそれらの活動からどのように恩恵を受けられるかを知ることが重要だ。
【世界渋滞都市ランキング*】
1. ベンガルール(インド) 71%
2. マニラ(フィリピン) 71%
3. ボゴタ(コロンビア) 68%
4. ムンバイ(インド) 65%
5. プネ(インド) 59%
6. モスクワ(ロシア) 59%
7. リマ(ペルー) 57%
8. ニューデリー(インド) 56%
9. イスタンブール(トルコ) 55%
10. ジャカルタ(インドネシア) 53%
【渋滞都市ランキング(アジア)*】
1. ベンガルール(インド) 71%
2. マニラ(フィリピン) 71%
3. ムンバイ(インド) 65%
4. プネ(インド) 59%
5. ニューデリー(インド) 56%
6. ジャカルタ(インド) 53%
7. バンコク(タイ) 53%
8. テルアビブ(イスラエル) 46%
9. 東京(日本) 42%
10. 重慶(中国) 41%
【渋滞都市ランキング. オーストラリア・オセアニア. 】
1. シドニー. オーストラリア. 33%
2. オークランド. オーストラリア. 31%
3. メルボルン. コロンビア. 30%
4. ウェリントン. ニュージーランド. 28%
5. ハミルトン. ニュージーランド. 25%
6. ブリスベン. オーストラリア. 25%
7. アデレード. オーストラリア. 24%
8. ゴールドコースト. オーストラリア. 24%
9. ホバート. オーストラリア. 23%
10. クライストチャーチ. ニュージーランド. 21%
【渋滞都市ランキング(米国) *】
1. ロサンゼルス 42%
2. ニューヨーク 37%
3. サンフランシスコ 36%
4. サンノゼ 33%
5. シアトル 31%
6. マイアミ 31%
7. ワシントン D. C. 29%
8. シカゴ 28%
9. ホノルル 28%
10. オースティン 27%
【渋滞都市ランキング(南米)*】
1. ボゴタ(コロンビア) 68%
2. リマ(ぺルー) 57%
3. レシフェ(ブラジル) 50%
4. リオデジャネイロ(ブラジル) 46%
5. サンパウロ(ブラジル) 45%
6. サンティアゴ(チリ) 44%
7. サルヴァドール(ブラジル) 43%
8. フォルタレザ(ブラジル) 37%
9. ベロオリゾンテ(ブラジル) 35%
10. ポルトアレグレ(ブラジル) 35%
【渋滞都市ランキング(欧州)*】
1. モスクワ(ロシア) 59%
2. イスタンブール(トルコ) 55%
3. キエフ(ウクライナ) 53%
4. ブカレスト(ルーマニア) 52%
5. サンクトペテルブルク(ロシア) 49%
6. ダブリン(アイルランド) 48%
7. オデッサ(ウクライナ) 47%
8. ノヴォシビルスク(ロシア) 45%
9. サマラ(ロシア) 44%
10. ハルキウ(ウクライナ) 43%
【渋滞都市ランキング(アフリカ)】
1. カイロ(エジプト) 40%
2. ケープタウン(南アフリカ) 32%
3. ヨハネスブルク(南アフリカ) 30%
4. プレトリア(南アフリカ) 25%
5. イーストロンドン(南アフリカ) 22%
6. ダーバン(南アフリカ) 19%
7. ブルームフォンテーン(南アフリカ) 13%
*人口 80 万人以上の都市が対象
※ 整数値が同じ都市に関しては、すべて小数点以下で順位を決定