コンチネンタルは、自動車メーカーにおける車両開発とソフトウェア開発との統合を自動化および標準化する新しいオンラインプラットフォームを発表した。
新しく開発されたコンチネンタル開発ポータル(Continental Cooperation Portal)により、今後自動車メーカーとサプライヤーは、車両開発プロセスの時間と費用を節約し、関係者全員のコストを削減すると同時に、ソフトウェアの品質を向上させることが可能。現在多くの自動車メーカーが抱える指数関数的に増加するソフトウェアを次世代車両開発計画に統合するための効果的なソリューションを提供できる。自動車メーカー向けシステムインテグレーターとして、コンチネンタルは高性能コンピューター(HPC)を重点的に推進しており、従来の分散制御ユニットアーキテクチャに置き換わる電子的セントラルアーキテクチャを備えたコネクテッド・ビークルの各種開発諸条件を同時に整備している。
車両制御システムの統合ソフトウェアプログラムを開発するにあたり、そのプロセスの多くはこれまではエンジニアによるマニュアル入力に頼っており、また標準化も無く、膨大な時間を必要としていた。これまでの一般的なプロセスでは、顧客に納入後にアプリケーションを手動でテストし、そのたびごとにエラーを修正し、再度プロセス全体を最初から見直す作業の繰り返しを行っていた。この従来の方法ではプロジェクト当たり最大50社にものぼる、これらサプライヤー提供のソフトウェアを使用する現代の車両開発の工程では非常に非効率的なアプローチとなっていた。新しく開発されたコンチネンタル開発ポータルでは、こうした参加するすべてのソフトウェアサプライヤーとのやり取りに自動バリデーション処理を行うことにより、エラーの少ない信頼性の高いアプリケーションの導入プロセスを提供する。さらに、このオンラインプラットフォームを利用することで、ソフトウェアの修正ループ作業工程を圧縮することで、他のコントロールユニット機能を実装するためのサーバー容量を確保できる。
コンチネンタルのコネクテッドカー・ネットワーキング部門の責任者であるヨハン・ヒーブル氏(Johann Hiebl)は言う。「車両統合ソフトウェアの重要性は急速に高まっています。コンチネンタル開発ポータルを開発するにあたり、さまざまなプロバイダーのソフトウェアとサービスを車両サーバーに実装するための各種ツールを開発しました。自動車メーカー向けシステムインテグレーターおよび戦略的パートナーとして、私たちは顧客メーカーと協力して、複雑化を極める現代の車両におけるソフトウェア統合へのソリューションを提供しています」
HPCでの自動ソフトウェア統合:デジタル接続モビリティのマイルストーン
自動運転、ますます複雑化するコックピットのインフォテインメントアプリケーションとサービス、クラウドサービス、共有モビリティ、IoTによるコネクテッド——これらの傾向は、車両のE/Eアーキテクチャに革命をもたらしている。自動車向けシステムインテグレーターおよびソフトウェア&ハードウェアのサプライヤーとして、コンチネンタルはこのデジタルトランスフォーメーションの先駆的存在。このマイルストーンのひとつは、フォルクスワーゲン社の新型電気自動車「フォルクスワーゲンID」の車載アプリケーションサーバーとして採用されたコンチネンタル製HPC(ハイ・パフォーマンスコンピュータ)である。このHPCの採用により、高いレベルのコネクテッド環境が可能となり、車両の安全機能ソフトウェアの常時更新・インストールを実現、車載ソフトウェアプログラムを常に最新の状態に保つ。
コンチネンタル開発ポータルでは、各種ソフトウェアの個別のカスタマイズが可能で、ログやマニュアルなどのドキュメントを保存できるようにすることで、このポータルサイトはセントラル・コミュニケーション・プラットフォームとなり、すべてのプロジェクト参加者が最新の情報すべてにアクセスできるようになる。ポータルとの通信はすべて暗号化されることにより高度なセキュリティ環境となり、これにより多くの車両開発に携わるサプライヤーに継続的なソフトウェア統合の機能とアジャイルソフトウェア開発における共有コンセプトを提供できることとなる。