東京オートサロンに展示されているさまざまなニューモデルやコンセプトカーのそのなかでも、ひときわ購入意欲をそそる一台がこれだ。SUVのタフさとハイト系のユーティリティを兼ね備え、なにより無骨な道具感がカッコイイ! 最新のトレンドを上手く取り入れた軽クロスオーバーである。2020年央と見られる市販化に期待が高まる一台だ。
REPOET●工藤貴宏(KUDO Takahiro)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)
ただのコンセプトカーではない!
1月10日から開催されている東京オートサロン2020。会場内に足を踏み入れたら、絶対に見ておくべき軽自動車がある。それはダイハツブースの「タフト」だ。
「そんな軽自動車あったっけ?」と思った人もいるかもしれないが、それもそのはず。なんと、まだ発売されていないクルマなのだから。
とはいえ、単なるコンセプトカーではない。2020年央の発売に向けて鋭意開発中のモデルで、オートサロン会場に展示されている車両はごく一部をのぞいて“ほぼ市販仕様”といえる完成度。
フロントウインドウの上部には先進安全支援システム「スマートアシスト」用のカメラが組み込まれ、バンパーには超音波ソナーが埋め込まれた小さな丸い穴も確認できた。
つまり、市販に向けた試作車両というレベルまで作り込まれているのだ。未発売のクルマを先取りで見られるチャンスである。
そんなタフトとはどんなクルマか。
シンプルに言ってしまえば軽自動車のクロスオーバーSUVである。ハイトワゴンと本格SUVの中間といえるポジションで、無骨なデザインが特徴的。車高を高めた四角いボディに、樹脂素地のフェンダーを組み合わせてワイルドな雰囲気としている。
パッケージング的にはハイトワゴンに近いから、室内が広いのは言うまでもない。ハイトワゴンと同等の日常の利便性を保った、遊び心あふれるクロスオーバーだ。
そして実車では、ぜひ確認してほしい注目ポイントがふたつ。天井と荷室だ。
天井は、フロントシートの頭上をガラス化。ガラスルーフはパノラマ感を増してドライブを楽しくするが、いま販売されている軽自動車では、ダイハツ以外も含めて採用しているモデルはない。しかし、タフトには用意されているのだ。
もうひとつのポイントとなる荷室は、後席を倒すと完全にフラットになるのがいい。ここまでフラットになる軽自動車はなかなかお目にかかれないというレベルだ。
まったく段差のないフルフラットだから使い勝手がよく、しかも表面は汚れたら水拭きできる樹脂のハードタイプになっているのが便利。汚れを気にせず、遊び道具をガンガン積んで使い倒したくなる作りなのだ。
とにかく楽しい妄想が膨らむ一台。東京オートサロンで、ぜひとも実車をご確認いただきたい。