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ソニーがクルマを!の衝撃。しかもかなりの完成度。ソニー初のクルマ=「SONY VISION-S CONCEPT」


今年のCESで話題をさらったのは、ソニーが手掛けた試作EVだ。Appleが、GoogleがEVを作る!的な話題はずっとあったが、いよいよソニーもEVを作るのか? と注目を集めたわけだ。「SONY VISION-S CONCEPT」と名付けられたこのクルマ、詳細をみてみよう。ソニーのクルマは「SONYなクルマ」になっているか?


TEXT◎Motor-Fan PHOTO◎松井亜希彦(MATSUI Akihiko)

ソニーがクルマを!の衝撃。しかもかなりの完成度

全長×全幅×全高:4895mm×1900mm×1450mm ホイールベース:3000mm



 ソニーは2020年1月6日(現地時間)、米国ラスベガスで開催されているCES(コンシューマー・エレクトロニクスショーとは、いまは言わないようだが)2020で、同社初となる電気自動車のコンセプトモデル「SONY VISION-S CONCEPT」を発表した。




 もともとCESは、家電のショーだからソニーは、主要なプレーヤーではある。毎年、会場となるラスベガス・コンベンションセンターにパナソニックやサムソン、LGなどと巨大なブースを構えている。数年前から「Automotive」の分野の展示、とくにカメラやセンサーなどに力を入れてきていた。


 それが今年はついに、「クルマ」を出展するに至ったわけだ。




 ソニーにオフィシャルコメントは次のとおりだ。


「VISION-S PROTOTYPE VEHICLE


新しい視野の向こうに豊かな時間を描こう


車の仕組みに深く接近すること。さらに、その作り方や課題はもちろん、社会と車の関係性をも掴むこと。そんな目標のもと、ソニーは走行可能で安全にも配慮した一台の車を開発しました。この車は、ソニーの技術とクリエイティビティの結晶。安全や快適、エンタテインメントやアダプタビリティ、それらの進化が集約されたこれからの移動空間です。乗ればそこに深い安心。座ればそこに胸躍る体験。そして歳月を超えた末長い付き合い。『VISION-S Prototype』それは人々の移動を豊かな時間へと進化させていきます」




 まずはスペックから見てみよう。


SONY VISION-S CONCEPT


全長×全幅×全高:4895mm×1900mm×1450mm


ホイールベース:3000mm


車両重量:2350kg


モーター:200kW×2基(フロント・リヤ)


乗車定員:4名(全席に独立シートスピーカー)


サスペンション:FRダブルウィッシュボーン式


駆動方式:AWD


最低地上高:120-135mm


タイヤサイズ:F245/40R21 R275/35R21

タイヤはピレリ製。サイズはF245/40R21 R275/35R21
デザインはソニーのデザイナーによるものらしい


 サイズ的には、テスラ・モデルS(全長×全幅×全高:4978mm×1964mm×1440mm)よりひとまわり小さい。メルセデス・べンツEクラス程度と思えばいいだろう。


 もちろん電動(EV)である。前後に200kW(272ps)もモーターを積み全輪駆動する。モーターの形式(PMモーターなのか誘導モーターなのか)、バッテリーの容量などは未発表だが、ソニーが開発して初お披露目するのだから、モーターもバッテリーもSONY製だろう。




 ソニーがCESで見せたいのは、同社が力を入れるセンサー類だろう。


 そこへ行く前に、まずは「クルマとして」どうなのか?を見てみよう。

ディテールまでよくできてる。最低地上高:120-135mmとあるから、車高調整機構がついているのだろうか

新開発のEVプラットフォームはクーペ、セダン、SUV、MPVへの発展性を持つという。前後サスペンションはダブルウィッシュボーン式だ

 プラットフォームは、新開発のEVプラットフォームで、今回のVISION-S CONCEPTのようなクーペだけでなく、セダン、SUV、MPVなどさまざな車型に発展できるという。


 実際に公道を走れることを想定して開発したそう。実際には一部法規に適合できていないところもあるので、このクルマは公道走行はできないが、衝突安全性については、各国の衝突安全テストでトップクラスのスコアが取得できることを目標に設計されている。




 いくらソニーといえども、自動車を丸ごと開発するのは難しい。今回はマグナ・シュタイヤー(トヨタ・スープラ、BMW Z4も同社が製造している)が関わっている。またボッシュやコンチネンタル、ZF、ベンテラーといったメガサプライヤー、そしてNVIDIA、クアルコムなども協力しているようだ。




 と言っても、マグナ・シュタイヤーが主導して作ったクルマにソニーがセンサーや5Gネットワークによるコネクティビティ技術、E/Eシステムを載せただけ、ではない。ソニーには、このクルマのチーフエンジニア、チーフデザイナーがいて、開発を主導した。開発に関わったのはAIロボティクスビジネス担当だという。

 さて、今回のEVコンセプトにソニーが載せたセンサーは、次のとおりだ。OVAL SENSINGとしてソニーの車載向けCMOSセンサー(Complementary Metal Oxide Semiconductor センサー)を中心に合計33個ものセンサーを搭載した。


IMX390×7個


IMX456×5個


Inner電子ミラーカメラ×1個


超音波センサー(Ultrasonicc)×12個


レーダー×5個


LiDAR×3個


 でLiDARは、回転部分を持たないスリッドステート型を搭載している。



「5G」が普及し、自動運転が高度化すると人は操縦から解放されて、室内空間はよりリビングルーム化していく。ここにソニーらしい360REALITY AUDIOやパノラミックスクリーンを載せてエンターメインメント性を高めている。




「ついにソニーがクルマを!」という驚きがあるが、現時点ではソニーが自動車を開発・製造・販売することはしないだろう。あくまでも「ソニーとして、クルマでなにができるか」を追求するコンセプトである。

 とはいえ、それにしてはずいぶんと力の入ったコンセプトカーであることも事実。またマグナ、ボッシュ、コンチネンタル、ZFは、車載センサーという分野ではある意味ライバルでもある。もちろん、NVIDIA、クアルコムも5Gネットワークでは競合相手でもあり協業する相手でもある。


 ソニーの車載技術を見せるだけならここまで「ちゃんとしたクルマ」に仕上げなくてもよかったはず。ここまでやってしまうところが「ソニーらしさ」とも言えるし、「ソニーが自動車にどれほど注力しているか、本気度を見せるために」ここまでやったとも言える。




 ぜひ、日本でも披露してほしいし、ソニーの次のステップも見てみたい。

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