当情報局が、千葉県(警)が「可搬式速度違反自動取締装置」、いわゆる移動オービス調達に向けた入札を行ったという情報を入手したのは、今年の5月。当コーナーで、6/12に落札され、導入機種がレーザー式の移動オービス、センシスMSSSに決定したことはすでにお伝えしたが、それから半年を経たこの12/10、ようやく、取り締まりが開始されたことが、各報道機関に公開された!
センシスMSSSは先進の軍事技術が導入された、超高性能移動オービス!
すでに37都道府県への配備が完了している移動オービス。その内32都府県がレーザー式のLSM-300(東京航空計器製)を採用しているが、千葉県(警)が入札の末、手に入れたのは、少数派のレーダー式のセンシスMSSS(センシス・ガッツォ社製)。北海道、埼玉県、岐阜県、香川県に次ぐ5番目の導入というわけだ。
まっ、確かに多数派ということもあり、移動オービスと言えばLSM-300というイメージが強いが、実は、計測の専門家に言わせると、センシスMSSSは、LSM-300をはるかに上回る性能を兼ね備えているというのだ。事実、現在、このMSSSと同様の計測方式で稼働している簡易固定式オービス、センシスSSSの測定精度を争う裁判がさいたま地裁で行われているが、1年以上にも及ぶ公判の末、近々、ドライバー側の敗訴が決定する見込みだ。これは、あくまでも上告されなかったとすればの話だが、センシスの測定精度が裁判所のお墨付きとなったということでもあり、多数派のLSM-300よりも早く、理論武装が整った=取り締まりの正当性が認められたということでもある。
このMSSS、レーダー式ということでいかにもレーダー探知機が効きそうだが、まず、従来のレーダーとは違う周波数(Kバンド、従来はXバンド)のレーダーを使用しているため、そのKバンドに対応していない探知機は全く、役に立たない。さらに対応していても、探知機がレーダー波を捉えたときにはすでに計測済みという可能性が高い。つまり、レーザー式よりたちが悪いと言えるかもしれないということだ。
いずれにしても、これで関東1都6県中、1都5県で移動オービスが稼働することになったわけだが、やはり気になるのは、残る茨城県の動向。入札情報では、今のところ正体不明な「レーザー式速度測定装置」を調達したことが明らかになっているが、果たして、和歌山県警がネズミ捕り用に導入したとみられるLSM-200のことなのか、それとも移動オービスとして運用するのか、判明し次第、報告させていただきます!
ちなみに、2019年12月現在の移動オービス導入都道府県は以下の通り。警察庁の方針通り、残る10県にも、2020年中に配備が完了するはずだ。
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