デンソーとNTTコミュニケ―ションズ(NTT Com)は、これまで両社で開発してきた、車両をセキュリティ面で見守る「車両向けセキュリティオペレーションセンター」を実現する技術(車両SOC技術)の実用化を目指し、実験環境での車両SOC技術の検証を2020年1月から開始する。
近年、コネクティッドカーと呼ばれるネットワークとつながるクルマが急速に普及するなど、ICTを活用した新しい自動車技術・サービスが次々と生まれている。その一方で、サイバー攻撃は日々高度化・巧妙化し続けているため、コネクティッドカーを見守り、早期に攻撃を検知・解析し、状況に応じた適切な対応をするためのセキュリティ技術が求められている。
デンソーとNTT Comは、車両に搭載されたセキュリティ機能からの出力データを解析することで、サイバー攻撃を検知し、その影響範囲を特定する車両SOC技術を 2017 年から開発してきた。この車両SOC技術により、サイバー攻撃の種類や状況に応じた適切な対応を支援し、コネクティッドカーの安全性・可用性の向上、迅速なセキュリティ対策の実現を目指している。
両社は、これまで開発してきた車両 SOC 技術の実用化に向け、実験環境での技術検証を開始する。実験車に多種多様なサイバー攻撃を実施し、実験用車両SOCによるサイバー攻撃の検知や影響範囲の分析など、さまざまな事象への対応シミュレーションを繰り返すことで、さらなる技術向上を図る。
デンソーは、同社が保有する、車載システム、車両サイバーセキュリティ、コネクティッドカー、MaaS開発などで培った情報セキュリティ・通信・データ解析などに関する技術を担当。NTT Comは、ネットワーク、クラウド、マネージドセキュリティ(ITセキュリティオペレーションセンターなど)に関する技術を担当する。さらに、NTTセキュリティの分析技術、NTTセキュアプラットフォーム研究所の研究成果など、NTTグループの 最新のセキュリティ技術も最大限に活用する。
今後、両社は車両SOC技術の技術検証を通じて技術開発を加速し、より安心・安全なモビリティ社会の実現に貢献することを目指す。