東京モーターショーでワールドプレミアされた次期ホンダ・フィット。発売は年明けになりそうで、価格や詳細なスペックは未発表だ。ここでは、次期フィットに投入されたテクノロジーを解説していこう。第一回はボディ編だ。
PHOTO◎Motor-Fan/Honda
目玉はA/Aダッシュピラー構造
新型フィットのボディのハイライトは、Aピラー部の独創的な構造だ。
通常のAピラーは、現行型の116mmから、なんと55mmという極細となった。目的は、前方視界の拡大だ。これだけAピラーを細くできたのは、Aピラーで衝突荷重を受けない構造にできたから。Aピラーはフロントガラスを支えるのみで強度剛性を受け持っていない。衝突荷重を受け持つのは、ホンダが「Aダッシュピラー」と呼ぶ、AピラーとBピラーの間に新設したピラーだ。このAダッシュピラーが現行型のAピラーの代替で構造も同じだ。
現行型と同じプラットフォームを使うが、サスペンション保持部を中心にボディを補強している。
たとえば、ダッシュロワーパネル(バルクヘッド部)の板厚は0.8mmから1.4mmまで上げた。また、どうしてもパネル一枚だと振れていわゆるこもり音が発生する部分については、重りをうまくつけることでエンジンとの共振、タイヤからのロードノイズとの共振をうまくずらしてなるべくNVを感じさせないようにした。ダッシュロワー(バルクヘッド)は右ハンドル仕様と左ハンドル仕様で変えている。
ノーマルボディとクロスターの違いは?
新型フィットには、車高を上げてクロスオーバー調にしたCROSSTAR(クロスター)というグレードがある。これは、サブフレームの取り付け部にスペーサーを入れることで10mm車高を上げてボディ側は対応。タイヤの大径化で20mmと合わせて30mmの車高アップとした。