大型SUVが人気を集めるアメリカ。各自動車メーカーは、いわゆる「プレミアム・ラージSUV」の市場に魅力的なモデルを投入している。価格が高い高級SUVは、もちろん自動車メーカーにとって「稼ぎ頭」でもある。果たして、北米でもっとも売れているプレミアム・ラージSUVはなんなのか?
ラージクラスのプレミアムSUVの最大のマーケットは、アメリカだ。このカテゴリーを制しているのは、どのモデルなのか? 近年は、「ポルシェでもっとも売れているのはカイエン。ポルシェを支えているのはカイエンだ」という声も聞く(実際は最も売れているポルシェは「マカン」)。さぞやカイエンの販売台数は、ものすごいのだろう? 果たしてどうなのか? 北米で最も売れているLクラス・プレミアムSUVはカイエンなのか? ということで調べてみることにした。
このマーケットを切り開いたのはMクラスとRX
このマーケットを最初に切り開いたのは、メルセデス・ベンツのMクラスである。1997年のことだ。メルセデス・ベンツとして初めての北米工場であるアラバマ・タスカルーサ工場で生産されたMクラス(ML)が最初だ。
Mクラスは、3代目が2015年に「GLE」という名前に変更になり、現在は2代目「GLE」(2019年デビューのW167型)が売られている。
メルセデス・ベンツMクラス/GLEと時期をほぼ同じくして登場(1998年)したのが、レクサスRXだ。事実上、この2台がこのクラスの先駆けと言える。
この両モデルの好調なセールスを見て、ライバルは本腰を入れ始める。欧州勢でいえば、BMW X5がBMW初のSUVとして1999年に登場した。ホンダ(アキュラ)がMDXを、ポルシェがカイエンを、アウディがQ7を市場に投入する。
2010年代になると、新顔が参入する。
テスラ ・モデルX
アルファ ロメオ・ステルヴィオ
マセラティ・レヴァンテ
といったところが参入している。
結局もっとも売れているのはなんなのか?
というわけで、これまでの栄枯盛衰はちょっと横に置いておいて、2018年1月ー2019年上半期(6月)までの北米での販売台数を棒グラフにしてみた。
これを見れば一目瞭然。
このクラスでもっともアメリカ人に支持されているのは、レクサスRXなのだ! しかも、2番手アキュラMDX、3番手インフィニティQX60にダブルスコアでの圧勝だ。
レクサスRXは、、1998年に初代モデルがデビュー。以来、グローバルで人気を集めるSUVだ。現行型は、2015年デビューの4代目。2019年8月にマイナーチェンジを受けている。北米では3.5ℓV6エンジン搭載のRX350と3.5ℓV6にハイブリッドシステムを組み合わせたRX450hをラインアップしている。
ということで、北米でのこのマーケットを制しているのは、レクサスRX/アキュラMDX/インフィニティQX60のジャパニーズ・プレミアムブランドなのだ。
もちろん、車両価格が違うとか、あのクルマはあるはずだ、とかさまざまなご意見があるだろうが、今回調べた12モデルのセールスを見ると、レクサスRXの圧勝ぶりが際立つ結果となった。12モデル中で日本で販売されていないのは、インフィニティQX60とアキュラMDXというのも、ちょっと意外に思える。