11/7、福島県警がいつのまにか入手したレーザー式移動オービスを、各メディアに公開した。これで東北6県の内、5県に移動オービスの配備が完了。残る山形県の動向、さらに、レーザー対レーダーの勝敗の行方も、気になる!
一般道オービス絶滅寸前の福島県に救世主現る!?
スピード取り締まりに関する話題をあまり聞かない福島県。もちろん、ネズミ捕りやパトカーによる取り締まりは地道に行われているようだが、例えばホームページを見ても取り締まりの告知も見当たらず、速度違反に対する県警としてのスタンスを示す「取締指針」も高速道路に関してのみ掲載されているところを見ても、あまりやる気が感じられないというのも事実。固定式オービスにしても県内を走る高速道路には5機設置されているが、一般道に設置されているのは絶滅寸前のHシステム1機であり、特に一般道での速度取り締まり体制がやや心もとない状況にあったのではないだろうか? それが移動オービスの導入によりどう変わるのか、興味津々だ。
とにかくこれで東北6県中、5県に移動オービスの配備が完了し、残るは山形県のみとなったわけだが、山形県も福島と同じく、残る一般道の固定式オービスはHシステム1機のみ。移動オービス導入は、時間の問題と言えるだろう。
レーザー式がもてる理由、とは?
福島県が導入したのは、東京航空計器(以下「TKK」)製のレーザー式移動オービス、LSM-300。ちなみに、現時点で移動オービスを導入済み、あるいは導入が予定されている36都道府県中、実に31都府県(86%強!)が、このLSM-300をチョイスしている。北海道、千葉県、香川県などは、競合相手であるセンシス・ガッツオ社のレーダー式(MSSS)を導入しているが、絶対的性能はMSSSの方が上という説があるにもかかわらず、TKKの一人勝ちに近い圧勝となっているというのは事実だ(下記参照)。
その理由だが、レーダー機器を取り扱う際に必要な「無線免許」が不要なこと、従来のレーダー探知機では捕捉できないことが強みになっているのか、はたまた、警察庁が強引にLSM-300を推しているという噂通り、なんらかの忖度が働いているのかは、現時点では不明。が、何かしらの利得があり公平な入札を装うために「MSSS」が当て馬として利用していると考えることもできる。なにしろ、警察庁に「可搬式速度違反自動取締装置(移動オービス)」を先に売り込んできたのは、センシス・ガッツオ社(当時はセンシス社)であり、それに触発された警察庁が、移動オービスの導入を決めたという経緯がある。さらに、それに呼応して、TKKが、レーザー式移動オービスを後出ししてきたのだから。
果たして残る11府県はどっちを選ぶのか? この件については、先々(2020年度中?)、全国配備が達成された時点で、改めて検証してみたい。
★可搬式移動オービス導入都道府県(2019年11月現在/導入予定も含む)
【LSM-300】
■北海道・東北
青森県/秋田県/岩手県/宮城県/福島県
■関東甲信越
栃木県/群馬県/東京都/神奈川県/山梨県
■中部・北陸
長野県/富山県/福井県
■東海・近畿
静岡県/愛知県/三重県/和歌山県/滋賀県/奈良県/京都府/兵庫県
■中国・四国
岡山県/広島県/島根県/愛媛県(入札公募済み)
■九州・沖縄
福岡県/長崎県/佐賀県/大分県/宮崎県/熊本県(落札済み)
【MSSS】
■北海道・東北
北海道
■関東甲信越
埼玉県/千葉県
■東海・近畿
岐阜県
■中国・四国
香川県
★未導入府県
■北海道・東北
山形県
■関東甲信越
茨城県
■中部・北陸
石川県/新潟県
■東海・近畿
大阪府
■中国・四国
鳥取県/山口県/徳島県/高知県
■九州・沖縄
鹿児島県/沖縄県