VWゴルフがCセグハッチバックのベンチマークだとしたら、メルセデス・ベンツAクラスは、プレミアム方向へ、BMW 1シリーズはスポーティ方向へと若干立ち位置を変える。ではマツダ3はどうか? パッケージングを見ると、重なるのはメルセデス・ベンツAクラスだ。
重ねてみるとわかる「そっくり度」
まずは、とにかく重ねて見てみよう。
見事なまでにぴったり重なり合う。
ホイールベースは
Aクラス:2729mm
マツダ3:2725mm
で、わずか4mm差
フロントオーバーハングは
Aクラス:914mm
マツダ3:915mm
で、これもほぼ同じ(写真では画角が違うのでAクラスが長く見えると、実際はマツダ3が1mm長い)
リヤオーバーハングは
Aクラス:776mm
マツダ3:820mm
で、これはAクラスの方が短い。
全高は
Aクラス:1440mm
マツダ3:1435mm
で、これまたほぼ同じだ。
違いがあるとすれば、マツダ3の方がフロントフードが若干が長くAピラーの角度がより寝ている。そしてCピラーの角度も寝ている。つまり、マツダ3の方がキャビンが小さく見えるデザインだ。よりパーソナルなイメージを持つのがマツダ3だ。
とはいえ、真横からみると両モデルは、ソックリだ。
上下に分けて見てみよう。
パッケージが同じでもずいぶん違って見えるところがクルマのデザインの面白さだ。やはりマツダ3のAピラーはCセグハッチバックとしては、異例なほど寝ている。
せっかくだから、次期VWゴルフ8と新型BMW1シリーズのサイドビューも確認しておこう。
もう一度、Aクラスとマツダ3のサイドビューを載せる。
こう見ると、ゴルフ8→新型1シリーズ→Aクラス→マツダ3の順でより「スペシャルティ感」が高まることがわかる。スペシャルティ度、パーソナルカー度(という言葉はないが)が上がるということは、逆にいえば「実用車度」が下がるということも意味する。
次は、正面視だ。
上がAクラス、下がマツダ3。全幅はAクラスが1796mm、マツダ3が1795mm。
Aクラスとマツダ3の全幅×全高は
Aクラス:1796mm×1440mm
マツダ3:1795mm×1435mm
で、ほとんど同じだ。それでもマツダ3のほうが踏ん張って見えるのは、トレッドが広いからである。
Aクラス トレッド:F1567mm/R1547mm
マツダ3 トレッド:F1570mm/R1580mm
となっている。
というようなことを考えながら、フロントからの両モデルを眺めてみよう。
パワートレーンはどうか?
欧州でのAクラスのパワートレーンは、
Mercedes-Benz Aクラス
A200
■1.3ℓ直列4気筒DOHCターボ:163ps(120kW)/250Nm
A250
■2.0ℓ直列4気筒DOHCターボ:224ps(165kW)/350Nm
A180d
■1.5ℓ直列4気筒ディーゼルターボ:116ps(85kW)/260Nm
一方のマツダ3は
Mazda3のパワートレーンは
ガソリンエンジン
■SKYACTIV-G2.0
2.0ℓ直列4気筒DOHC+24V Mild Hybrid:122ps(90kW)/213Nm
■SKYACTIV-X
2.0ℓ直列4気筒DOHC+SC+24V Mild Hybrid:180ps(132kW)/224Nm
ディーゼルエンジン
■SKYACTIV-D1.8
1.8ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ:116ps(85kW)/270Nm
となっている。
Aクラスの1.3ℓ直4ダウンサイジングターボ vs マツダ3の2.0ℓ直4SKYACTIV-G2.0自然吸気
Aクラスの2.0ℓ直4ダウンサイジングターボ vs マツダ3の2.0ℓ直4SKYACTIV-X
Aクラスの1.5ℓ直4ディーゼルターボ vs マツダ3の1.8ℓ直4SKYACTIV-D2.0ディーゼルターボ
というライバル関係になる。
気になる燃費と出力をCO2排出量で比べてみる。CO2排出量はNEDC Combinedモードでの数値だ。
A200:1.3ℓ直4ターボ:163ps(120kW)/250Nm CO2排出量:120-128g/km
Mazda3 SKYACTIV-G2.0:2.0ℓ直4NA+24V M-HYBRID:122ps(90kW)/213Nm CO2排出量:117-128g/km
A250:2.0ℓ直4ターボ:224ps(165kW)/350Nm CO2排出量:141-149g/km
Mazda3 2.0ℓ直4SKYACTIV-X:180ps(132kW)/224Nm CO2排出量:100-125g/km
A180d:1.5ℓ直4ディーゼルターボ:116ps(85kW)/260Nm CO2排出量:108-118g/km
Mazda3 SKYACTIV-D1.8:1.8ℓ直4ディーゼルターボ:116ps(85kW)/270Nm CO2排出量:107-127g/km
となっている。
これも、まさに「真っ向勝負」の様相を呈している。
注目はA250(2.0ℓ直4ターボ)vs SKYACTIV-X。同じ排気量でターボ過給するA250にパワースペックの数字では勝てないが、SKYACTIV-Xがフィーリングや燃費での「プラスアルファ」でどう評価されるのか、注目だ。