
XC90およびS/ V90の90シリーズに続き、最新プラットフォームのSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)を採用した新型XC60。電動化や将来の自動運転まで見据えた最新技術を投入し、あらゆる面で大きな進化を遂げている。その詳細をレポートしていこう。
TEXT●安藤 眞 (ANDO Makoto)
※本稿は2017年10月発売の「ボルボXC60のすべて」に掲載された記事を転載したものです。車両の仕様が現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。
SPAとCMA“Compact Modular Architecture”

トースランダ工場で生産

広々とした室内

赤外線方式のタッチスクリーン


T5 直列4気筒DOHCターボ

排気量:1968㏄
ボア×ストローク:82.0×93.2㎜
圧縮比:10.8:1
最高出力:187kW(254㎰)/5500rpm
最大トルク:350Nm(35.7㎏m)/1500-4800rpm
T6 直列4気筒DOHCターボ&スーパーチャージャー


T5がターボでのみ過給されるのに対して、スーパーチャージャーも追加されるT6。スーパーチャージャーが低回転域を、ターボチャージャーが高回転域を担うツインチャージ仕様とすることで、最高出力320㎰、最大トルク400Nmを発揮。最大トルクの発生回転数は2200~5400rpmと、こちらも豊かなトルクバンドを誇る。
排気量:1968㏄
ボア×ストローク:82.0×93.2㎜
圧縮比:10.3:1
最高出力:235kW(320㎰)/5700rpm
最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/2200-5400rpm
D4 直列4気筒DOHCディーゼルターボ


ガソリンエンジンとのモジュラー設計が採用されているディーゼルエンジンは、グローバルで見るとD2からD5まで合計4種類をラインナップ。新型XC60の日本仕様に導入されるのはD4で、最高出力190㎰、最大トルク400Nmを誇る。ボア×ストロークはT5やT6と共通だが、圧縮比は15.8:1と低く、1750rpmという極低回転から2500rpmに至る領域で最大トルクを発揮する。
排気量:1968㏄
ボア×ストローク:82.0×93.2㎜
圧縮比:15.8:1
最高出力:140kW(190㎰)/4250rpm
最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/1750-2500rpm
8速AT

T8ツインエンジン(プラグイン・ハイブリッド)

排気量:1968㏄
ボア×ストローク:82.0×93.2㎜
圧縮比:10.3:1
最高出力:233kW(318㎰)/5700rpm
最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/2200-5400rpm
モーター出力:65kW(87㎰)
モータートルク:240Nm
バッテリー容量:10.4kWh
EV走行距離:45.4㎞
ERAD(エレクトリック・リヤ・アクスル・ドライブ)


後軸には電気モーターに変速機構とクラッチ、ディファレンシャル、ドライブシャフトを組み合わせた複合ユニットを搭載。電気駆動のみで走行する、いわゆるEV走行時に機能するのはもちろん、大きな出力要求があった際のエンジン駆動アシスト、AWD動作中のサポート、ブレーキ回生、アクセルペダルオフ時のエンジンブレーキ効果など、多彩な役割を果たす。
リチウムイオンバッテリー

IEM(インバータ・ERAD・モジュール)


ERADをコントロールするモジュールは車体後方に装備。高電圧バッテリーの直流電流を三相交流電流に変換し、ERADを駆動する。ERADによる電力回生を行なう際には逆に交流から直流へと変換する。
頑強なボディストラクチャー


厳密な衝突安全テストを実施

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安全を第一とするボルボは、独自に基準を設けた衝突試験やロールオーバー(横転)試験を実施。2020年までに新しいボルボ車に搭乗中の交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする「VISION2020」の達成に貢献するべく、パッシブセーフティにも磨きがかけられている。
加害損害にも配慮

フロントサスペンション


重量軽減のためにアルミ製パーツも多用したダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用。ダンパーに曲げ入力が入らない設計により、スムーズにストロークすることで乗り心地の向上を図っている。
リヤサスペンション
