60年代のレーシングカラーを意識したモデル、世界が注目するデザイナーとのコラボモデル、4年連続でパートナーシップを結んだモデルなどなど、ベスパブースを盛り上げた3種のスペシャルエディションをチェック!
TEXT●大家伝(OYA Den)
60年代モチーフのグラフィックモデル
シリーズは大胆かつシンプル、どこかノスタルジーを感じさせつつ新しさを感じさせるデザインとなっている。これをSprint(エンジンサイズ50、125、150 cc)とGTS Super(125と300 cc)に用い、真新しい黄色と赤のグラフィック配するという手法。それぞれがベース色と相まって、刺激的なカラースキームを形成している。黄色と緑、赤と白といったシンプルな配色ながら、ボディサイドとレッグシールド前面センターのホーンカバーを強化するきれいなグラフィックラインとなっている。
これにPVCコーティングされた柔らかいビロードのようなヌバック×ホワイトのパイピングが施された専用シート、ゴールドメタリックフィニッシュのホイールリムを採用。さらにグラブバー、タンデムステップ、前後ライトハウジング、サイレンサーカバー、バックミラー、オンボードインストルメントクラスターベース、レッグシールドトリム、フェンダークレストなどはクラシックなクロムメッキ処理からブラックアウトに変更。加えてフロントトランクに専用プレートを備え、レースのエキサイティングで魅力的な世界へのオマージュとしている。
EICMAで世界デビューしたコラボモデル
最も創造的で影響力のあるデザイナーの1人であるSEAN WOTHERSPOONとのコラボによるプリマベーラも、間違いなくEICMA2019・ベスパブースにおけるトピックの一つだろう。アメリカの若者ファッションの新星として大注目のショーンワザースプーンだが、彼自身が純粋なエネルギーであり、無限に好奇心が強く、時代を先取りし、実験者であり、ストリートカルチャーの狂信者でもあり、そんな彼の"ファッションと色"による発信はミラノから世界に届いたことだろう。明日のトレンドを予測し、ファッションで遊び、スタイルを重視する人なら見逃せないハズだ。
お披露目されたコラボモデルはサイケちっくな配色を特徴とし、オールドスクールなテイストに溢れたもの。黄色、赤、濃い緑、アクアマリンが車両全体を包み込み、ホーンカバーやホイールリムなどを白で装飾。リムには全周に渡ってVespaロゴも配されている。
フロントのショックアブソーバーと同色となっている赤いフットボードはプラスチック製で、青色のゴム製レールを装着。シートには茶色のリブ付きベルベットを選択し、レッグシールド前面にはVespaロゴ+SEAN WOTHERSPOONロゴも。
デリバリーは2020年を予定(日本国内へは未発表)し、プリマベーラの各エンジンサイズ(50cc、125cc、150cc)に設定されるそうだ。また、同一イメージで専用ヘルメットやカプセルクロージングコレクションもデリバリーされるという。
世界基金の支援で赤を着たプリマベーラ
最後のトピックはピアッジオが(RED)とのパートナーシップを更新したことだろう。ピアジオグループとしては4年連続でのプロジェクトとなり、今回はプリマベーラ125(RED)でのパートナーシップとなる。(RED)は2006年の設立以来、エイズとの闘いのために5億米ドル以上を世界基金に寄付。HIV / AIDS、結核、マラリアなどを打ち負かすための活動を積極的に展開している。
今回発表されたプリマベーラ125(RED)スペシャルは、スチールモノコックボディ全体とホイールリムを特徴的なレッドドラゴンカラーで塗装。エレガントな装いで、すぐに認識できる外観となっている。これに白く象徴的なベスパ(RED)ロゴがあしらわれた、特別感たっぷりの仕様だ。