東京モーターショーでお披露目されながら、ミラノショー(EICMA2019)まで詳細についてベールに包まれていたトリシティ300。それが、いよいよ発表となった。新たな機構は? スペックは?
TEXT●大家伝(OYA Den)
アーバンモビリティが最も賢い選択となる予感
ディテール&ポイント解説
トリシティ300の重要な機能は、チルトロックアシストシステムだろう。これは、マシンが停止したときに直立した状態を維持できるようにするというもので、LMW機構の上部平行四辺形アームにキャリパーとブレーキディスクが取り付けられたもの。
チルトロックアシストシステムが作動すると、キャリパーのコンパクトな電動アクチュエータがパッドをディスクに押し込み、平行四辺形リンクを所定の位置にロックする構造となっている。このチルトロックアシストシステムは、スロットルが開くとすぐに自動的に解除される。そしてシステム自体はサスペンション機能から完全に分離されているため、駐車時の取り回しが軽く簡単なものにしている。 なお、一時的に直立姿勢の保持を支援するシステムなので、メインスタンドがけも簡単に行える。
スマートキーシステムにより、キーを持っているだけで電源のオン/オフ、エンジンの始動と停止が可能。そしてハンドルバー、シート、燃料タンクリッドのロック解除もスマートにこなす。
欧州仕様「TRICITY300」主要仕様諸元
全長×全幅×全高:2,250mm×815mm×1,470mm
シート高:795mm
軸間距離:1,595mm
車両重量:239kg
原動機種類:水冷4ストロークSOHC4バルブ
気筒数配列:直列単気筒
総排気量:292cc
内径×行程:70.0mm×75.9mm
圧縮比:10.9:1
最高出力:20.6kW(28.0PS)/7,250r/min
最大トルク:29.0N・m(3.0kgf・m)/5,750r/min
始動方式:セルフ式
燃料タンク容量:13L
燃料供給方式:フューエルインジェクション
タイヤサイズ(前/後):120/70-14/140/70-14
カラー:Tech Kamo、Icon Grey、Gunmetal Grey