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ストリート トリプル RS試乗|レーシングスペックを継承する765cc・3気筒エンジンは、ある意味ストリート最強かも?/トライアンフ


快晴のベストコンディションに恵まれた富士スピードウェイ。「至極の高性能を誇るロードスター」とうたわれた新型STREET TRIPLE RSの試乗会がショート及びメイン、ふたつのコースを使って開催された。




REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)


PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

◼️トライアンフ・Street Triple RS.......1,437,000円(2019年11月中旬発売予定)

シルバーアイス×ディアブロレッド(アルミニウムシルバーデカール)
マットジェットブラック×アルミニウムシルバー(イエローデカール)


 二年前にも同じ場所で同モデルの試乗会が開催されたことを思い出す。基本フォルムは共通ながら、今回の新型は全体的にシュッとしたスマートな外観デザインに一新されている事が先ずは印象深い。特に前方に迫り出すフレームマウントの個性的ヘッドランプ&メーターデザインがコンパクトに刷新された。


 タンクシートと新設されたアンダーカウルやマフラーに続く流れもスマートで一段とスタイリッシュ。ゴツイ感じがとれていかにも走りそう、シャープな印象である。


 


 新型ストリートトリプルRSは、トライアンフMoto2 エンジンチームのノウハウを基にエンジンが改良され、より高いパフォーマンスを発揮。ストリートバイク最強を誇るモデルと言う。


 二年前の試乗会では、ちょうどMoto2へエンジン供給するニュースが発表されたが、トライアンフが誇る3気筒エンジンを武器に精力的に新戦略を展開する同社の心意気と熱き情熱が伝わってきたことは、サーキットでの試乗機会が与えられた事も含め、今も鮮明な記憶として残っている。




 さて今回の新型は、先ずユーロ5へ適合。一段とクリーンなエンジンになった。765ccの水冷DOHC並列3気筒12バルブエンジンも中速域のトルクを9%アップ。最大トルクは77Nm/10800rpmから79Nm/9350rpmに向上。最高出力は123ps(91kW)/11750rpmを発揮。中速域のスロットルレスポンスの向上ぶりが期待される。スリップアシストクラッチも装備。新型シフトアシスト(アップ/ダウンクイックシフター)と相まってスムーズなシフトワーク等、より洗練された操縦性が楽しめそう。   


 液晶ディスプレーも最新機能を登載。MyTriumph接続システムも採用され、GoProやスマホ等の電子機器と接続可能となったのも新しい。

Moto2にエンジン供給するトライアンフ。レーシングマシンと並ぶ姿が誇らしげである。

富士スピ-ドウェイの直線ではゴールライン手前で240㎞/hを超えた!

ついつい機敏な走りを楽しんでみたくなる。

 富士スピードウェイ本コースの最終コーナーを3速で抜けてスロットル全開で加速。胸をタンクに付け、できるだけ伏せ姿勢を決めて11000rpmでシフトアップ。何とゴールライン到達を待たずにスピードメーターは240km/hに到達した。


 一方ショートコースの僅かな直線でも第一コーナー直前でメーターは150km/hを示すのだ。その俊敏な動力性能には改めて驚かされた。




 レッドゾーンは14000rpmからだが、スピードの乗りはあまり引っ張り過ぎない方が確実に速い。本コースの長いストレートでは、6速241km


/h、エンジン回転数が12400rpmを示したところでレブリミッターが作動してそれ以上は望めない。もしも制御がなければ、実力的には260㎞/hに迫る勢いが感じられた。


 ちなみにアイドリングは1250rpm。ローギヤで5000rpm回した時のスピードは43km/h。6速トップ100km/hクルージング時のエンジン回転数は5000rpmだった。




 カウルの無いネイキッドモデルでオーバー200㎞/hの風圧は流石に辛い。それはバイクにとっても同じ事だが、その風圧に負けないだけの3気筒パワーには侮れないポテンシャルを実感させられたのである。




 単純にパワフルというだけではなく、コーナーの立ち上がりで、躊躇なくアクセルを開けて行ける。スムーズにかつ早いタイミングで後輪に確かな駆動力を与えられる乗り味。俊敏な走りが楽しめるところに、Moto2譲りらしいエッセンスが感じとれた。


 


 操舵フィーリングには落ち着きがあり、特に市街地のUターン等ではダンパーが効いているかの様なシットリ感がある。それでいてタイトターンの連続で身を翻す時はハンドル幅も奏功して軽快かつ素直にレスポンスし、とても扱いやすい。


 さらに言うと深くリーンした時、前後タイヤ(ピレリ製ディアブロ・スーパーコルサSP V3)のグリップ感に抜群の信頼性が感じ取れる。穏やかな中に強かな力強さを発揮する3気筒ならではの出力特性もプラスに作用し、コーナー立ち上がり加速に優れる走りがイージーに楽しめてしまうのが印象的だ。


 簡単に言うとスロットルをドンドン開けて行ける。開けられる(後輪にシッカリと駆動力を掛けられる)から旋回力が促進される。結果速度の乗りも早く楽にタイムが縮められる俊敏な走行性を発揮できると言うわけだ。


 


 富士スピードウェイを走る限り、カウルが欲しくなってしまったのが、正直な感想だがストリートトリプルRSはそんな本物のポテンシャルを秘めたネイキッドスポーツとしての価値と魅力が、一段と高められていたことは間違いないのである。

⚫️足つき性チェック(ライダー身長168cm)

少しばかり前傾姿勢となる。ご覧の通り両足の踵は少し地面から浮いた状態。シート高は825mm。ステップも後退ぎみの位置にあることがわかる。


⚫️ディテール解説

フレームマウントのヘッドランプ周り。光源はLEDを採用。メーターと一体をなすデザインは小さくなった。

フルアジャスタブルのSHOWA製φ41mmビッグピストン式倒立フォークを採用。ストロークは115mm。φ310mmのフローティング・ダブルディスクブレーキには、ブレンボ製M50モノブロック4ピストン油圧キャリパーをラジアルマウント。

吸排気系や制御系チューニングの他、クランクマスが7%低減されたのも俊敏な走行性向上に貢献している。

下回りをスタイリッシュに決めるマフラー。ツイン触媒システムを採用。エンドキャップは、カーボンファイバー製が奢られている。

リヤサスペンションにはオーリンズ製フルアジャスタブルSTX40モノショックを装備する。ホイールトラベルは131mm。

マフラーと干渉しないデザインのガルウィングスイングアーム。横方向の柔軟性も確保。ブレーキはφ220mmローターとブレンボ製1ピストン・ピンスライド式油圧キャリパーを備える。

バーエンドミラーの採用が新しいハンドルまわり。幅は広すぎることなく、チョイ低めに設定されている。

ハンドル左側のスイッチ。赤いスイッチはベストポジションにあるホーンボタン。ロード、レイン、スポーツ、トラック、ライダー設定、以上5パターンのライディングモードも左手でコントロールできる。トラクションやABSの切り替えも。
赤いスイッチは上がハザードランプ、下がエンジンキル&始動用スタータースイッチ。下はディスプレーの操作用。ブレーキレバーはブレンボ製でレシオとスパンの調節ができる。


TFT液晶ディスプレー・メーターも最新の物に進化。白黒反転表示や、表示内容も選択可能。さらにBluetoothモジュールにも対応している。

上質な表皮とダブルステッチで仕上げられたシート。スポーツライディングからストリートまで柔軟に対応する座り心地。

リヤシートはキーロック操作で簡単に脱着できる。シート下にはETC機器を収めるスペースがある。

キリリとしたフィニッシュを見せるスタイリッシュなテールエンド。ランプ類はLED式だ。

クビレのはっきりしたシートデザイン。バーエンドミラーの採用も印象深い。

◼️主要諸元◼️

エンジンタイプ:水冷並列3気筒 DOHC 12 バルブ


排気量:765cc


ボア×ストローク:77.9mm×53.3mm


圧縮比:12.54:1


最高出力:123ps(91kW)/11,750rpm


最大トルク:79Nm/9,350rpm


燃料供給方式:マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射 SAI付き、電子制御スロットル


エキゾーストシステム:ステンレス製 3-INTO-1 エキゾーストシステム 、ロータイプステンレス製シングルサイレンサー


駆動方式:Xリングチェーン


クラッチ:湿式多板、スリップアシストクラッチ


トランスミッション:トライアンフアシスト付き6速


フレーム:アルミニウムビームツインスパー、2ピース高圧成型ダイキャスト


スイングアーム:両持ち式、鋳造アルミニウム合金


フロントホイール:鋳造アルミニウム合金5スポーク17×3.5インチ


リアホイール:鋳造アルミニウム合金5スポーク17×3.5インチ


フロントタイヤ:120/70 ZR17


リアタイヤ:120/70 ZR17


フロントサスペンション:Showa製41mm径倒立ビッグピストンフォーク


リアサスペンション:Ohlins製フルアジャスタブルSTX40ビギーバッグリザーバータイプ


フロントブレーキ:Brembo製M50 4ピストンラジアルモノブロックキャリパー


リアブレーキ:Brembo製シングルピストンキャリパー


全幅:775mm


車高:1,085mm


シート高:825mm


キャスター角:23.9°


トレール幅:100mm


装備重量:188kg


燃料タンク容量:17L


燃料消費量:19.2km/L

◼️ライダープロフィール

元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファンJPのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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