10月25日から11月4日まで一般公開されている「第46回東京モーターショー2019」。青海Bホールにあるダイハツブースの入口には「新型コンパクトSUV」が、室内にも乗り込める状態でひっそりと展示されている。だが、それを見付けた来場者からは常に注目の的となっていた、この謎のニューモデルに座ってみたところ……。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢/ダイハツ工業
新型コンパクトSUV(市販予定車)
全長×全幅×全高:3995×1695×1620mm
ホイールベース:2525mm
車両重量:980kg
エンジン:水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ横置き
総排気量:996cc
最高出力:72kW(98ps)/6000rpm
最大トルク:140Nm(14.3kgm)/2400-4000rpm
乗車定員:5名
駆動方式:FF
トランスミッション:CVT
タイヤサイズ:195/60R17
製造事業者:ダイハツ工業株式会社
2006~16年に販売されたFRベースのコンパクトSUV「ビーゴ」に近いBセグメントのボディサイズながら、この「新型コンパクトSUV」はFF車。前回のモーターショーに参考出品されたコンセプトカー「DNトレック」もFF車で、外観にも共通点が多いことから、こちらの市販モデルと考えてよいだろう。
なお「DNトレック」は、全長×全幅×全高=3980×1695×1600mm、パワートレインは1.2Lハイブリッドまたは1.0Lターボで、駆動方式はFF、タイヤサイズは215/55R18とされていた。
そんな「新型コンパクトSUV」、常に来場者の注目の的となっており、乗り込むのはもちろん写真を撮ることさえ一苦労。何とはなく出来上がっていた待機列にしばらく並んだのち、後席に乗り込んでみると…見た目やボディサイズから想像するよりもずっと広い! 身長176cm・座高90cmの筆者が座っても、頭上には10cm、膝の前には15cmほどの余裕がある。さりとてシートサイズも小さくはなく、これなら遠出をしても充分快適に過ごせそうだ。
その後運転席にも座ってみたが、後席と同じくクッションは柔らかめながら必要十分なサイズがあり、長時間運転しても疲労困憊にはならないであろう感触。ただしインパネの質感は新型タントと同様、明確な割り切りが感じられるもので、その分だけ価格が抑えられていることを期待せずにはいられない。
なお、ラゲッジルームの広さはご覧の通り。サスペンションなどの出っ張りも少なく、開口部および荷室フロアの形状はほぼスクエア。ラゲッジフロアボードの高さはバンパーレベルにあり奥行きも深く、後席は6:4分割可倒式となっているため、使い勝手は非常に良さそうだ。バックドアがダイハツお得意の樹脂製(アウターパネルがポリプロピレン(PP)、インナーパネルがPP+ガラス繊維)となっており、軽い力で開閉できるのも好印象だった。
下回りを覗くと、サスペンションはフロントがストラット式、リヤがトーションビーム式だった。エンジンがトールの1.0Lターボ(1KR-VET型)と共通スペックであることから、プラットフォームはトールをベースとしている可能性も捨てきれなかったため、念のため説明員に確認すると、「これがDNGA第2弾です」とのこと。つまり新型タントと共通のプラットフォームであると同時に、新たなコネクテッドサービス「ダイハツコネクト」を初めて採用するのが、この「新型コンパクトSUV」ということになる。
ダイハツ「新型コンパクトSUV」のサスペンションを眺めてみる【東京モーターショー2019】そんな「新型コンパクトSUV」が正式発表されるのは恐らく11月中、早ければ上旬のうちになる可能性が高い。その車名はかつての「ビーゴ」となるのか、それとも一部で報道されている通り、1990~97年に国内販売されていた懐かしの「ロッキー」の名が復活するのか、正解は果たして!?