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最悪、思わぬ事故を誘発する、自動速度取締機、オービス系ネット情報の“嘘”を暴く!


最近、ネットのニュースサイトや交通取り締まり系の情報サイト等で、頻繁に交通取り締まりに関する記事や情報がアップされている。だが、特にオービス関連の記事には首をかしげるような勘違い情報が混ざっているケースが多い。もちろん、その間違った情報によって我々ドライバーが被る被害というのは、その大半が交通違反を犯した時であり(ごく稀ではあるが、思わぬ事故につながるケースもありうる)、それは公序良俗に触れるものとして情報を提供する側の責任は生じない。しかし、いくらなんでも、例えネットが「玉石混交」「自己責任」の世界だったとしても、「間違い」は素直に「間違い」と認め、より正確な情報を読者に提供するのが、メディアの使命であることも事実だ。それにもかかわらずその「訂正記事」をついぞ見かけたことがないというのも大問題。ちなみに、先日、当サイトでもケアレスミスから間違った情報を流してしまったが、きっちりお詫びと訂正の記事を迅速にアップしている。各メディアには、ぜひ是正をお願いしたい。

CASE1:Nシステムの写真を「オービス」と断定!!

 某カーメディアサイトでのお話。写真は明らかにNシステムなのに、「スピード違反を取り締まるオービス」と言い切ってますw




 ちなみに、オービスは「自動速度取締機(速度違反自動取締装置)」という、各都道府県警が管理する、スピード違反車を取り締まる監視カメラなのに対し、Nシステムは「自動車ナンバー自動読取装置」と呼ばれ、警察庁刑事局が管轄する犯罪捜査用の監視カメラであり、その用途は全く違う。




 ところが、紛らわしいことに、Nシステムの姿形が、オービスの1種、ループコイル式Hシステム(LH)によく似ているからたちが悪い。もちろん、我々、専門家が見れば、その違いは一目瞭然なのだが、一般のドライバーが見間違えるのは致し方ないこと。事実、当情報局でも、Nをオービスと勘違いした読者からの情報により、何度も無駄足を運ばされているくらいだ。




 とはいえ、だからと言って、正確な情報を伝える義務のあるメディアにとっては、「見間違いました」では済まされるもんじゃない。よく確かめもせずに「Nシステム」を「オービス」と決めつけるなんて明らかに勉強が足りない。実は、その見分け方は、考えようによっては意外と簡単なことなのだが。




 というのは、Nシステムは上の写真の3種類の他にも数種類が確認されている。古いものまで含めると、それ以上だ。ところが、LHシステムは1種類しかない(以前、カメラに大きなカバーがついている異形タイプが1機だけ存在していたが、今は撤去済み)。つまり、LHのカタチさえ覚えれば、Nと見間違うことなどないはずなのだ。

 確かに「そんなのどっちでもいいじゃん!」という声はあるだろうが、実は、「どっちでもよくない」。NとLHを見間違うと、思わぬ事故につながる可能性があるからだ。




 上の写真をよく見てほしい。これは名古屋高速に設置されているNシステムを撮影したものだが、手前の右車線に、黒いブレーキ痕がはっきり見えるはず。明らかに、突然現れた未確認物体に驚き、慌てて急ブレーキをかけたことが見て取れる。幸い、ブレーキ痕が側壁まで伸びていないため、たぶん、このドライバーは九死に一生を得たと思われるが、それにしても、善良なドライバーにとっては撮影されても痛くもかゆくもないNシステムのおかげで事故ったりしたら、まさに目も当てられない。




 ちなみに、これと同様のブレーキ痕は、全国各地で見受けられる。事前に必ず「予告板」が設置されているオービスと違って、Nは何の予告もなしに現れるから始末が悪い。カタチを覚えることがいかに大事か、わかってもらえるはずだ。

CASE2:レーザー式オービスはレーダーで速度を測定する???

 某ニュースサイトの自動車コーナーのトップ(!)に掲載されていた某カーメディアの記事を読んでいたら、思わず耳、いや、目を疑うようなこんな一文が! 「レーザー式オービスは従来の10.525GHZとは違う周波数のレーダーで速度を測定する」……。 え~~~!! 一体、なんてことを言いだすんだ?




 冒頭で「レーザー式」と言っておきながら、測定方式をレーダーと言っているわけだから、勘違いは一目瞭然。ご存じでしょうが、「レーザー式オービス」はレーザースキャンセンサーで違反車の速度を計ってるから「レーザー式(正式にはライダー式)」というんです。




 ちなみに、従来の周波数と違うレーダー波でスピード計測しているのは、スウェーデンの計測器メーカー、センシス・ガッッオ社のレーダー式オービス、センシスSSS(簡易移動式)とMSSS(移動式)。前者は埼玉県と岐阜県のみに、後者は埼玉県、岐阜県、北海道などに配備中。いずれにしても従来のレーダー探知機は役に立たないので、「小型移動オービス対応」等の最新レーダー探知機の装備が必須です。

CASE3:北海道の国道12号線美唄市光珠内町に設置されているオービスは、LH(ループコイル式Hシステム)???

 某オービス情報サイトの都道府県別オービス情報ページに掲載されている、国道12号線北海道美唄市光珠内町(南西行き)のオービス。どう見てもHシステムなのだが、なぜか種類欄に「ループコイル式H」という表記が! 確かにこのポイントには昨年春、Hシステムの手前に東京航空計器㈱製の可搬型レーザー式オービス、LSM-100が試験運用のために設置され、速度計測の精度を比較検証するために道路にループコイル式センサーが埋め込まれていた(現在、LSM-100は撤去済)。つまり、既設のHシステムとループコイルは、明らかに無関係なのに、このサイトでは、未だに「ループコイル式Hシステム」と言い切っているのだ。




 なにしろHシステムは、れっきとしたレーダー式。はんぺんみたいな白いレーダーアンテナで速度を計測しているのはすでにご承知の通り。もちろん、Hシステムには数々の誤測定疑惑があり、さらに、製造メーカーである三菱電機も製造&保守から完全撤退しているため、速度計測方式をループコイル式に変え、ストロボとカメラのみ稼働させていると考えられないこともないが(はんぺんレーダーはお飾り?)、システム上の問題やコスト、そしてそれをやる意義を考えれば、その可能性はとてつもなく低い。ゆえに、当サイトは純然たるHシステムであると断言したい。




 もちろん、レーダー探知機が有効(Hシステム)、あるいは無効(ループコイル式)という問題は、我々ドライバーにとって気になるところではあるが、最近のレーダー探知機は、GPSを利用した位置情報で固定式オービスの存在を警告してくれるから、レーダー式だろうが非レーダー式だろうが、実は関係ない。しかし、誤報=実害に結び付くケースもある交通取締情報は、メディアとして、あくまでもユーザーや読者に正確な情報を伝えることを責務とすべきなのではないのだろうか?




※当記事では、道義上、あるいは著作権法上の問題から、該当記事等へのリンク等はあえて行っておりませんが、すべて、事実であることは言うまでもありません。

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