第46回東京モーターショー2019で10月23日(水)、ホンダが新しい電動バイクを世界初公開した。そのうちの一つが、『BENLY e:(ベンリィe:)』だ。
REPORT/PHOTO●伊藤英里(Eri Ito)
三輪の電動スクーター『GYRO e:(ジャイロe:)』とともに発表されたベンリィe:。2019年の東京モーターサイクルショーではプロトタイプが発表され、注目を集めていた。ベンリィe:は、2020年春の発売を予定しているという。代表取締役社長 八郷隆弘氏が第46回東京モーターショー2019のホンダのプレスカンファレンスの中で明らかにした。
ホンダの電動スクーターと言えばPCXエレクトリックの存在がある。しかし、PCX ELECTRIC(エレクトリック)はリース販売にとどまった。少なくとも現時点ではとどまっている。そして今回発表されたのは、ビジネスモデルの電動スクーター。なぜ、PCXエレクトリックからビジネスモデルの電動スクーターに着手したのか。ベンリィe:開発者の武藤祐輔さんがこの疑問に答えた。武藤さんはホンダで、二輪事業本部 ものづくりセンター 完成車開発部 完成車統括課 技術主任を務める人物だ。
「ホンダとしては、EVを拡大していきたいと思っています。そのため、まずはビジネスでバイクを使うお客さん対してアプローチするのが、EVの拡大につながると考えたのです」
「ホンダとしては、EVを拡大していきたいと思っています。そのため、まずはビジネスでバイクを使うお客さん対してアプローチするのが、EVの拡大につながると考えたのです」
ベンリィe:は、PCXエレクトリックと同様にHonda Mobile Power Pack(ホンダモバイルパワーパック)を搭載。搭載個数が2個という点も同じだ。家庭用コンセントで充電でき、充電時間が約4時間であるところもPCXエレクトリックと変わりない。また、ベンリィe:にはPCXエレクトリックの技術がフィードバックされていて、システムの構成はほぼ同等となっている。ただし、進化した部分もある。
「制御面を進化させました。走りにおいて、今回はより一層スムーズな走りが実現できていると思います」
電動バイクは初速からトルクが出る特性を持っているために、走り出しでやや扱いづらさを感じることもあるが、これを滑らかな特性にしたのだそうだ。ちなみに、航続距離については明らかにされなかったが、PCXエレクトリックと同等以上とのこと。
車体のデザインに関しては、ベース車である内燃機関のBENLYを踏襲している。また、同時に世界初公開された電動の三輪スクーターのジャイロe:とは、車体で共用化できる部分はできるだけ共用化。バッテリーを収めるシートやハンドルなどのフロント回りはほぼ同じ。細かなセッティングは変わっているということだ。
ベンリィe:は来春の発売予定とのことだが、2020年は電動化の波がさらに活発になっていくのかもしれない。