東京モーターショーでワールドプレミアされた新型ホンダ・フィット。公表されたのは内外装のデザイン、e:HEVの新採用、ホンダセンシングの進化など。一方でパワートレインのスペックやボディサイズといった詳細な数値は明らかにされていない。ここではひとまず、先代フィットとの違いを「見た目に絞って」比べてみたい。
エクステリアデザイン
一見して大きく変わったことがわかるエクステリアデザイン。とくにフロントマスクはまったくの別モノで、先代にあたる三代目フィットは天地方向の短い横長なヘッドランプがシャープでスポーティな雰囲気を演出している。海外、とりわけアセアン市場などで受けそうなデザインだが、やや無表情と言えなくもない。生活感の出やすいモノスペースフォルムながら、この表情のおかげで精悍さを保っており、記者は個人的にはこちらがお気に入りだった。
一方の新型は、ヘッドランプが天地方向に大型化され、愛らしい表情に変わった。初代や二代目の路線に回帰したとも言えそうで、幅広い顧客層から支持されるだろう。乗り続けることで愛着も湧きそうだ。
ボディサイズ
まず、先代のボディサイズを再確認しておこう。
全長:3990mm
全幅:1695mm
全高:1525mm
ホイールベース:2530mm
※FFモデル
新型のボディサイズは明らかにされていないが、会場で実車を見た限り、おそらくほとんど変わっていないという印象だ。
また、フロントマスクをはじめとしたデザインの影響で、エクステリアが大きく変わったようなイメージを抱かされたが、こうして見比べてみるとほとんどシルエットが変わっていないことがわかる。記者には新型の方がボンネットの独立した2BOXスタイルに見えたが、実際には先代と変わらずモノスペース的シルエットを堅守している。
コクピット
インパネも大きくデザイン変更されている。
まず目が行くのはAピラーの形状だ。先代も新型も左右それぞれに前後2本ずつAピラーを持つが、新型は前方のAピラーが細くなっていて、死角が大きく減っている。
また、ダッシュボードの上端が下げられ、視界はもちろん開放感も向上している。運転席前のメーター類はバイザーレスとなっていて、見た目もスッキリしている。
さらにサイドブレーキが電気式スイッチに変更されていることにも気づく。サイドブレーキがあったスペースは、大きなトレー状の収納スペースになっている。そして電動パーキングブレーキの採用によって、アダプティブクルーズコントロールが完全停止まで対応していることが予想される。
キャビンスペース
先代もクラス随一のスペースを誇っていて、さらに新型モデルのサイズが推測した通り先代から大きくなっていないとすれば、それほどの拡大は期待できないだろう。
とはいえ細部の煮詰めによって、数字以上の広々感が生み出されていることは期待していいかもしれない。もちろんモーターショー会場で実際にリヤシートにも座ってみたが、時間が非常に限られていたこともあり「Bセグメントにしてはとても広い!」という、乗らなくたって想像がつきそうなことしかわかりませでした……スミマセン。
ただしリヤシート足元のフロアの低さを見る限り、ホンダ得意のセンタータンクレイアウトを引き続き採用していることは間違いない。
新型フィットに関する情報は、今後も少しずつ明らかになっていくことが予想される。その都度、レポートをお届けする予定なのでお楽しみに!