ドゥカティ・ブランドの中で最も多くのバリエーション展開を誇る人気モデルがスクランブラー。日本市場向けに400ccがリリースされている事でも知られているが、スタンダードな存在は、ICONを含む803ccエンジンを搭載したモデルである。※2019年10月初旬に取材したものです。試乗撮影後にマイナーチェンジが行われました。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田 俊輔(YAMADA Shunsuke)
◼️ドゥカティ・スクランブラー ICON.......1,146,000円
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◼️ドゥカティ・スクランブラー ICON Dark......1,069,000円
ドゥカティ・スクランブラーとはじつに痛快なモデルである。ネイキッドスポーツと比較して上体が起き、少し大きくゆったりなライディング・ポジションで、リラックスできる乗り味が楽しめる。ダート等の悪条件に遭遇しても少しワイドなハンドルが奏功し、楽に走破できる頼もしさがある。だからむしろ、そんな過酷な場面すら歓迎したくなってしまう懐の広さに、ライダー歴がウン十年の筆者もついつい気を許してしまうのだ。
このスクランブラー シリーズに採用されているエンジンは400cc~1100ccまで3機種、全8種ものバリエーション展開を誇る。その中の標準的モデルが803cc エンジンを搭載するこのICONである。
実はマイナーチェンジされた新型が投入されたばかり。目立つ変更はそう多くないが、タンクサイドのアルミパネルをリファイン。ウインカーもLED化された他、ボッシュ製コーナリングABSの搭載も新しい。
800ccエンジンのカテゴリーには ICONの中にも2種のカラーバリエーションの他、ブラックのICON Darkや、ダートトラック風のFull Throttle、オフロード色を強めたDesert Sled、スポーティなCafe Recerと揃えられユーザーにとって多彩な好みに対応している点も見逃せない所である。
開発のキーワードは「Land of Joy」。 同1100の記事でも書いた通り、道路(舗装路)以外でも楽しめる自由な使い勝手を象徴しているのが特徴である。
フロントにはやや細めの110/80R-18、リヤは180/55R-17インチのピレリ製のMT60RSを採用。鋼管トレリスフレームには同社ではかつて主力として君臨してきた空冷のOHCデスモドロミック。つまり吸排気バルブの強制開閉機構を持つ2バルブLツインを搭載。基本的にモンスター797と共通でφ50mmのスロットルボディを持つ電子制御燃料噴射が採用されている。
1100と比較すると右出しシングルのショートマフラーや、少し細身のフロントタイヤ等、シンプルな装備も含めて全体的に少し細っそりと軽快な印象を受ける。果たしてその乗り味はどうフィードバックされているのだろう。
散歩気分で気楽に乗れる心地良さ!
⚫️足つき性チェック(ライダー身長168cm)
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⚫️ディテール解説
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◼️主要諸元◼️
全長/全幅/全高:2,100mm/855mm/1,150mm
シート高:798mm(オプションで778mmもある)
軸間距離:1,445mm
乾燥重量:173kg
車両重量:189kg
原動機種類:空冷・4ストローク・SOHC・2バルブ(デスモドロミック)
気筒数配列:L型2気筒
総排気量:803cc
ボアXストローク:88×66mm
圧縮比:11.0:1
最大出力:54kW(73ps)/8,250rpm
最高トルク:67Nm(6.8kgm)/5,750rpm
始動方式:セルフ式
燃料タンク容量:13.5L
吸気:電子制御燃料噴射、φ50mmスロットルボディー
排気:アルミニウム製サイレンサーカバー付き ステンレス製エグゾーストシステム
1次減速比/2次減速比:1.850/3.067
クラッチ形式:湿式多板 油圧式 セルフサーボ/スリッパ―クラッチ機構
変速装置:6速
減速比:
1速…2.461
2速…1.666
3速…1.333
4速…1.130
5速…1.000
6速…0.923
フレーム形式:スチール製トレリスフレーム
キャスター/トレール:24°00/112mm
ステアリングロック角:35°
タイヤサイズ(前/後):
110/80 R18
180/55 R17
制動装置形式(前/後):
油圧シングルディスク・ブレーキ
油圧シングルディスク・ブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム
ホイールトラベル(前/後):150mm/150mm
乗車定員:2名
◼️ライダープロフィール