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世界のサーキット飯こんにちは。【MotoGPサンマリノGP編|イタリア】


せっかく海外のMotoGP観戦に行ったなら、ゴハンも楽しみたい。食事って、その国や土地の空気がモロに感じられるし、それを舌で味わうことができるから。はてさて、MotoGPサンマリノGPが行われたミサノ・サーキットでメジャーなゴハンって何だろう?


REPORT/PHOTO●伊藤英里(Eri Ito)

 イタリアのミサノ・サーキット。超のつく有名ライダーであるバレンティーノ・ロッシの地元サーキットで、決勝日には応援席が、大げさではなく黄色に染まる。サーキットを歩く観戦客はだいたいロッシのTシャツやキャップを身に着けてフラッグを持ち、ロッシの姿が見えれば大声援が起こる。まさにロッシ一色のグランプリなのだ。このミサノ・サーキットに訪れたMotoGPファンに混じって、ミサノ・サーキットらしいゴハンを食べてみよう──。よく晴れたサンマリノGPのレースウイーク、さっそく観客席周辺へ散策に向かった。

ロッシのグッズを身に着けてレースを観戦するファン

サーキット外にもロッシグッズを販売するブースが並ぶ

サーキットのなかにはこんなに大きなグッズ販売ブースもあった

 客席をぐるぐる歩くと、何カ所かに分かれて、飲食ブースや物販のテントが並んでいる。同時に、その飲食ブースの前に、ゴハンを食べられるテーブルとイスがきちんと並んでいて、ランチ時には多くのお客さんがそこでゴハンを食べていた。ドイツGPほどではないけれど、ビールを楽しむ人も多い。

ランチをほおばりながら、ビールなどを飲む。MotoGPを楽しんでいる様子が伝わってくる

こうしたテーブルとイスは、数多くの場所に設置されていた。コミュニケーションの場にもなっているのだろう

 さて、何を食べよう。サーキットをしこたま歩いて、いい具合にお腹も空腹を主張している。飲食ブースをいくつかのぞいてみたけれど、ラインアップはだいたい同じ。パニーニや、ハムとチーズをバケットやパンに挟んだサンドウィッチのようなもの、それからイタリアらしく、ピザがショーケースに並ぶ。




 ピザはピッツェリアで食べるような薄手の生地の丸いピザ、ではなくて、しっかりとした厚手の大きなピザが、四角に切り分けられたものだった。ひと目でボリュームたっぷりだとわかる。それから、カットフルーツやドーナツのようなスイーツもちらほら。サンマリノGPが開催された9月中旬はまだ日差しが強くて気温も高かったから、カットフルーツは体にとっていいクールダウンになるのかもしれない。

サンドウィッチのサイズはかなり大きめ。カットフルーツも並ぶ

ドーナツなどは軽食用のよう。こちらは食べながら歩く人もいた

ビールを飲む人も多かったが、こうしたスムージーのようなジュースを売る屋台もあった

 さっそく目星をつけた屋台で「オススメをちょうだい!」とオーダーする。ちなみに、屋台などでは英語はほぼ通じないと思った方が無難。それでも向こうはイタリア人以外の相手に慣れている風だから、コミュニケーションをとろうという気概があればなんとかなる。




 何度目かの問答を繰り返し、「じゃあ、これね」と手渡されたのは、生ハムとチーズ、それから水菜のような野菜を、トルティーヤのような生地でくるんだもの。ラップサンドと言えばいいのだろうか。それにしても、いざ手にしてみればそのボリュームは十分そうだとわかる。

ご覧の通り、サイズは大きめ。これひとつで十分お腹がいっぱいになる

屋台の側にあったマスタード類。なんとも豪快なサイズ

 MotoGP観戦にやって来た、笑顔が絶えないファンに混じってそのトルティーヤラップにかぶりつく。生ハムのほどよい塩っ気と、チーズがからみあって食べやすさは抜群。暑さで体から失われた塩分を、うまい具合に吸収している気分になる。水菜のような野菜(たぶん水菜ではない)もシャキシャキと歯ごたえがあり、ちょっとした苦みを感じる。この苦みがアクセントになっていて、生ハムやチーズといいバランスができていた。




 こういう生ハムとチーズをパン(またはトルティーヤなど)に挟んだメニューはとても多いのだけど、だいたいはあまりしっかりした味付けがないようだった。それだけなのに、まったく物足りなく感じない。生ハムとチーズにしっかりと味がついているからだろう。イタリアらしいこのランチ、雰囲気も相まって大満足だ。

イタリア人は食後に楽しむことはもちろん、ファーストフード(ドリンク?)のようにもエスプレッソを飲む

 ちなみに、イタリアと言えばエスプレッソは欠かせない飲み物らしい。ミサノ・サーキットの屋台にも当然のように、エスプレッソマシンが置いてあった。これはボローニャの街でよくよく見て感じたことだけれど、くいっと飲んで立ち去るのがイタリア流……らしい。ミサノ・サーキットを訪れたなら、セッションの合間にそんなイタリアならではを堪能してもおもしろいだろう。

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