三菱自動車は9月12日、2020年からベトナムの生産拠点で新型クロスオーバーMPV「エクスパンダー」の生産を開始すると発表。また同日には、ミツビシ・モーターズ・ベトナム・カンパニー・リミテッド(MMV)が事業開始から25周年を迎えたことを記念して、同国ホーチミン市で式典を開催した。
三菱自動は今後もベトナム経済の発展に寄与していく方針
エクスパンダーは、2017年8月に開催されたインドネシア国際オートショーで初披露されたクロスオーバーMPV。全長4475×全幅1750×全高1700mm、ホイールベース2775mmのボディに、3列7人乗りのキャビンを組み合わせる。パワートレインは104psと141Nmを発揮する1.5LのMIVECエンジンと、4速ATまたは5速MTを搭載する。
エクスパンダーは2017年秋よりインドネシアで生産・販売がスタートし、東南アジア各国で堅調に売り上げを伸ばしており、ベトナムでは2018年10 月より発売。このエクスパンダーを中心に、同国での2018年度の全車種販売実績は約1万4000 台にのぼり、2017年度の約2倍を記録した。2019年度も今のところ販売は好調に推移している。
三菱自動車は、ベトナム経済の発展に貢献するため、同国自動車市場創生期にあたる1994年、MMV の前身である生産・販売会社を三菱商事や現地パートナーと合同で設立し、ベトナム事業を開始した。その後のベトナムの自動車市場拡大とともに、現在ではアセアンにおける成長戦略を支える重要な事業のひとつとなっている。MMVでは現在、アウトランダーのノックダウン生産(※)を行なっているが、エクスパンダーの生産開始に合わせてMMVの生産能力増強を検討しているという。
(※)他国や他企業で生産された製品の主要部品を輸入して、現地で組立・販売する方式
三菱自動車の益子修会長は、「ベトナムで高品質なクルマを造り、より多くのお客様にお届けするというこの新たな挑戦は、ベトナム事業の持続的な成長を可能にするとともに、雇用の増加、人材育成、投資、技術移転といった面でベトナム自動車産業及び同国地域経済発展に貢献できると信じております」とコメントしている。
また、同社はベトナムにおける社会貢献活動にも力を入れており、このほど MMVよりベトナム赤十字社を通じ、ホーチミン市の大学生、同市とビンズン省の高校生計70名に奨学金支援を実施。今後も同社は次世代の教育支援をはじめとした社会貢献活動を通じ、ベトナム社会の持続的成長に寄与していく方針だ。