フォルクスワーゲンの小型EV「ID.3」がフランクフルト・モーターショーで正式発表された。新開発されたMEBプラットフォームを採用する初めての市販車で、今後登場する「ID.」ファミリーの最初のモデルでもある。
これから始まる「ID.」ファミリーのトップバッター
フォルクスワーゲンの1005ピュア電気自動車「ID.3」がフランクフルトに姿を現した。まったく新しいプラットフォーム「MEB」を採用し、フォルクスワーゲンの次世代モデルの旗手として位置づけられている。
リヤアクスルに組み合わせたモーターは最高出力150kW(201ps)と最大トルク310Nmを発生する。最高速度は160km/hに達する。
バッテリーは3つのスペックが用意され、ひとまずID.3 1st(ファーストエディション/限定モデル)には58kWhのバッテリーが搭載される。そして後にセールスが開始されるカタログモデルには、45kWhと77kWhもラインナップされる予定だ。
最大航続距離は、45kWhが330km、58kWhが420km、77kWhが550km(いずれもWLTPモード)とアナウンスされている。
ちなみに100kWの急速充電器を使用した場合、58kWhのバッテリーを搭載するID.3 1stは30分間で約290kmが走行可能となるだけのエネルギーを充電できることになる。
これらのバッテリーには、8年間または16万kmの保証が付与される。
ボディサイズは全長が4261mm、全幅が1809mm、全高が1552mm、ホイールベースが2765mmで、車両重量はベースモデルで1719kgとなっている。クラスとしてはBセグメントとCセグメントの中間といったところか。
ホイールベースが意外と長いが、最小回転半径は5.1mと、なかなかの小回り性能を持っている。リヤアクスル付近にモーターを搭載していながらラゲッジスペースは385Lを確保しているのは、ロングホイールベースが寄与しているのかもしれない。
このID.3は2020年なかばからドイツで販売が開始され、3万ユーロ(約355万円)を切る価格からスタートするという。
このID.3に続き、今後フォルクスワーゲンは「ID.」ファミリーを続けてリリースすることになる。「ID.」はなにか特定の言葉の略ではなく、インテリジェントなデザイン、アイデンティティなどを意味しているそうだ。