ヤマハのバリエーションの中では、スポーツヘリテージに分類されているのがこのXSR900。メーカーのキャッチコピーには「味わいあるレトロな外観と先進技術によるパフォーマンスを併せ持ったモデル」とある。 近年のトレンドの一つでもある“ネオレトロ” に込められた乗り味ははたして如何に!?
REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
◼️ヤマハ・XSR900 ABS……1,061,500円
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AUTHENTIC外装セット……148,500円(税込・ワイズギヤ取り扱い商品装着車)
“オーセンティックであること それが「XSR900」の姿” 開発ストーリーの冒頭に掲げられたキーワードである。わかりやすく言うと新機種を開発するにあたり、ある種保守的な手法と正統派感覚の香るデザインが採用されている事を示している。
具体的には丸形のフロント及びテールランプと丸形のシングルメーターに代表される普遍的でシンプルな形の採用だ。ハンドルも古くから見慣れたパイプバータイプをマッチ。しかしそれらは決して懐古調ではない新しいセンスを感じさせてくれる所にネオレトロと呼ばれる所以がある。
デビューは2015年のEICMA(ミラノショー)で国内発売は翌年の4月から。今回の試乗車は2019年3月に新色追加された最新版だ。ベースとなったのはMT-09。基本的にはダイヤモンドタイプの軽量アルミダイキャスト製フレームと外側締結リヤアームを始め、搭載された846ccの水冷DOHC12バルブ直列3気筒エンジン。トランスミッション等の減速比も含めスペックの多くはそれと共通である。
しかしご覧の通り見た目の印象は見事なまでに異なっている。しかも吟味されたパーツを使用する手の込んだ仕上げの良さや各部に奢られた専用パーツからは、開発陣の思いとこだわりが伝わってくる。磨き上げられたアルミ部品の採用も、大人の選択眼が満足させられる上質なセンスが漂うのである。オーナー自らがそれに触れるたびに満足できるだけの価値と喜びが感じ取れる事だろう。
少し大人びたバイクライフが楽しめる!
⚫️足つき性チェック(ライダー身長170cm)
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⚫️ディテール解説
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◼️主要諸元◼️
認定型式/原動機打刻型式:2BL-RN56J/N711E
全長/全幅/全高:2,075mm/815mm/1,140mm
シート高:830mm
軸間距離 :1,440mm
最低地上高:135mm
車両重量:195kg
燃料消費率*1:
国土交通省届出値、定地燃費値(*2) 29.4km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 (*3)•••19.7km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列:直列, 3気筒
総排気量:845cm3
内径×行程:78.0mm×59.0mm
圧縮比:11.5:1
最高出力 :85kW(116PS)/10,000r/min
最大トルク:87N・m(8.9kgf・m)/8,500r/min
始動方式 :セルフ式
潤滑方式 :ウェットサンプ
エンジンオイル容量:3.40L
燃料タンク容量:14L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V, 8.6Ah(10HR)/YTZ10S
1次減速比/2次減速比:1.680/2.812
クラッチ形式:湿式, 多板
変速装置/変速方式:常時噛合式6速/リターン式
変速比:
1速:2.666
2速:2.000
3速:1.619
4速:1.380
5速:1.190
6速:1.037
フレーム形式:ダイヤモンド
キャスター/トレール:25°00′/103mm
タイヤサイズ(前/後):
120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/
180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)
制動装置形式(前/後):
油圧式ダブルディスクブレーキ/
油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1
乗車定員 :2名
◼️ライダープロフィール