日本特殊陶業(NTK)と三菱日立パワーシステム(MHPS)は、このたび、固体酸化物形燃料電池(SOFC:注1)の発電要素である円筒セルスタック(注2)の製造・販売を行う合弁会社を共同で設立・運営することに関し、合弁契約を締結した。
燃料電池は、クリーンな発電装置として、業務用、産業用などでの活用が期待され、将来的なエネルギー・環境問題の解決策の一つとして期待されている。両社は、2014年6月から円筒セルスタックの量産に向けて業務提携を締結して開発を進めていたが、それが実り、MHPSの長寿命、熱利用が可能な円筒セルスタック設計技術と、NTKが保有するセラミックスの量産技術を融合させ、高性能円筒セルスタックを事業化する運びとなった。
今後、NTKにて準備会社を設立した後、競争法当局の審査を経て、合弁会社の設立へと進める予定。
設立する合弁会社については、2社で協議中であり、現時点では以下の内容で検討している。
(1)名称 検討中
(2)所在地 愛知県小牧市
(3)代表者の役職・氏名 検討中
(4)事業内容 円筒横縞形セルスタックの製造及び販売
(5)資本金 3億円
(6)出資比率 NTK 70%、MHPS 30%
(7)事業開始予定 2019年10月1日
注1 固体酸化物形燃料電池(SOFC):SOFCとは、空気中の酸素(O2)、都市ガス等を改質して取り出す水素(H2)や一酸化炭素(CO)を利用し発電するもの。発電の重要な部分であるセルスタックの構成はすべてセラミックスで構成されている。
注2 円筒セルスタック:高強度のセラミックス製の構造部材である基体管の外表面に、発電反応を行う素子(燃料極/電解質/空気極の積層体)を複数形成し、素子間を電子導電性セラミックスのインターコネクタで直列に接続(円筒横縞形セルスタック)しているため低電流で高電圧の電気出力を効率よく取り出すことができる。