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アルフファロメオ 4CのBIW(Body in White)に、その軽量さの理由を見る


アルファのコンパクトミッドシップスポーツカー、アルファ4CはCFRPモノコックを採用している。CFRPに目がいきがちだが、実験車のようにさまざまな素材を組み合わせたハイブリッド・ボディなのが4Cの特徴だ。




TEXT &PHOTO:MFi FUGURE:ALFA ROMEO

オートクレーブ工法で作られるCFRPモノコックの重量はわずか65kg。比較的廉価なミッドシップスポーツカーにもかかわらず、RTMではなくACで造るのを選択したのは、おそらく生産台数(年産最大3500台)と初期投資との兼ね合いだろう。ACで作ったCFRPモノコックの少量生産車としては、破格の低価格と言えるだろう。

 アルファ4Cは、CFRPモノコックを採用したアルファロメオ初のミッドシップ・スポーツカーだ。FFのジュリエッタのコンポーネントを活かしてエンジンを横置きするミッドシップレイアウトを採用。CFRPモノコックを使うスポーツカーだが、比較的リーズナブルな価格設定を実現できている。




 4CのCFRPは、ランボルギーニ・アヴェンタドールやポルシェ918が採用しているRTMではなく、もっとも手間とコストのかかるオートクレーブ工法で作られる。CFRP製モノコックに注目が集まりがちだが、開発目標に置いた「パワーウェイトレシオ4kg/ps以下、車重1000kg以下(乾燥重量950kg)、前後重量配分40:60」などを実現するために、4Cはじつに様々な素材を組み合わせて軽量スポーツカーのボディ&シャシーを作り上げている。スチールは軟鋼とアドバンスト高張力鋼板の比率がそれぞれわずか2%。アルミは、鋳造、6000番台の板材、押出材などを多用している。




 外板はガラス繊維強化SMCを使っている。これは1.45g/cm3という低密度の樹脂で、アルミと比べて総生産台数5~7万台までならコストも低く抑えられるという。フロントフェンダーは、RIM-PUR(Reacition Injection Molding=反射射出成形ポリウレタン)でできている。




 異種素材を接合する必要があるため、接着線長は小型車ながら11095mmに達している。ほかにもねじ、ボルト、ファスナーなどさまざまな接合技術が用いられた。アルミ製サブフレームではCMT(コールド・メタル・トランスファー)溶接が使われている。

アルミ合金製サブフレーム

実際のサブフレームはもっと部品点数が多いが、写真右側(車両前方側)のパーツは、クラッシュ時には交換することを前提に設計されている。CFRPモノコックとアルミサブフレームは電位差腐食を防ぐために間に接着剤を挟み直接接触させずにボルト締結される。

アルミ押出材の断面形状



 フロント(左)とリヤ(右)のサブフレームはアルミの押出材でその断面形状もクラッシャブルストラクチャー、エンジンサポート、サスペンションサポートなど機能・部分によって変えている。溶接はCMT(コールドメタルトランスファー)による連続ワイヤープロセスを採用。

各素材の重量比率

この状態のBIWの重量が168kg。ハングオンパーツを含めたBIWで213kgである。重量比でもっとも多いのはCFRPだが、パーツ点数としては、オートクレーブ工法で作られるバスタブ型のセンターモノコックだけと言っていい。

オートクレーブ工法ならではの美しさ

CFRPの物性では、やはりオートクレーブ工法がもっとも高性能だ。また外観の美しさも性能のうちと言えるかもしれない。バスタブ型の4CのCFRPモノコックはイタリア・ナポリのアドラープラスチック社が担当している。同社では6台のモノコックが収納できる超大型オートクレーブを使って加熱成形を行なっている。アルファロメオによれば、4Cの静的ねじり剛性は14150Nm/deg、静的まげ剛性は8200N/mmと優秀だ。4Cの車両組み立てははイタリア・モデナのマセラティの工場で行なわれる。

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