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旧・マツダ・アクセラと新・マツダ3のサスペンションを見比べてみる


マツダの最量販モデルであるマツダ3。国内ではアクセラと呼ばれていたが、新型へのモデルチェンジを機に、グローバルの「マツダ3」に統一された。プラットフォームから一新されたマツダ3と、前型アクセラのサスペンションを見比べてみる。

旧:マツダ・アクセラ

新・マツダ3

旧・アクセラ FRONT:マクファーソン・ストラット式

 先代アクセラのフロントサスペションは、定石通りのマクファーソン・ストラット式。ペリメーター構造を持つクロスメンバーに、左右にロワーアームを取り付けられるマクファーソン・ストラットだ。アクセラに先立って登場していたアテンザや先代CX-5と基本的には同じだ。マウント部の寸法が共通ということで、アテンザのフロントサスと見た目の違いを見つけるのは難しい。


 キャスター角とトレールを拡大して、セフルアライニングトルクを大きく設定。リヤサスペンションと合わせてスカイテクティブシャシーを構成する。

新・マツダ3FRONT:マクファーソン・ストラット式

旧・アクセラ REAR:マルチリンク式

 リヤサスペンションの形式はマルチリンク式。アテンザや先代CX-5ではボディにラバーマウントされていたのに対してアクセラでは軽量化のためにリジッドマウント化している。NVH的には不利だが、剛性が補完関係になるため、剛性を落とすことなく軽量化が図れた。湾曲したトレーリング&アッパーリンクを使う。

新・マツダ3 REAR:TBA(トーションビームアクスル)

 新型マツダ3のリヤサスペンションは、先代のマルチリンクからTBA(トーションビームアクスル)に変更されている。これは、スペックダウンというわけでない。このサイズのクルマには、重量、コスト、セッティングの自由度などを考えてTBAが最適だとマツダは判断したわけだ。


 車輪側はトレッド剛性、キャンバー剛性のために丈夫な構造に、しかしトーションビームの中央部分はしなやかな「ねじれ変形」をきょようするために断面形状を変えている。マツダが考える理想のTBAの姿である。


 具体的には入力に対して動かしたい方向にサスペンションが適切に動くように球面形のブッシュの内部構造を新採用している。また、ロワーアーム前側とブッシュとロワーアームのボールジョイントの前後方向の距離を縮め、横方向の入力に対する前後方向の剛性を上げた。横入力に対する前後方向の動きを抑えて遅れのない素早い伝達をサポートする。サスペンションジオメトリーも新設計して、サスペンションストロークに対するステア方向の変化を低減したことで、コーナリング中のリニアな動きを実現している。トーションビームには中央と外側でビーム径を変えた新構造とした。

上が従来のTBAで下がマツダ3の新形状のTBA。3本のリンクが合体したこの方式でサスペンションの要素である5自由度の拘束を行なった。

製造工程。曲げ3工程とレーザー溶接で仕上げる。

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