サスペンションは複雑で動きが難解。とくにマルチリンク式は、複雑怪奇!だ。モーターファン・イラストレーテッド のVol.153では「マルチリンク式リヤサスペンション」を特集している。どこを固定し、どこを動かすのか? ここでは、新型プジョー508のリヤ・マルチリンク式サスペンションを、特集を担当した福野礼一郎氏が解説する。
プジョー508のリヤサスペンションは、ハブ別体式のトレーリングアーム+アッパーAアーム+リンク2本という構成で、今月号の特集風に自由度計算すると構成要素「5」、総自由度「30」、ピン拘束「3」×7ヶ所=「21」、軸拘束「5」×1ヶ所 =「5」、軸回転部3ヶ所=「3」ですから、30−21−5−3=1で残自由度「1」でサス成立しています。(福野礼一郎)
一般的なFF用のトレーリングアーム+3リンクよりは横剛性が高くトーコントロールも精密にできますね。ダンパースプリングを寝かせてサブフレームマウントしてるのでロードノイズでは有利です。エンジニアに聞いたところ後輪駆動車はサブフレームにデフをマウントしているため、サブフレが重くなってマスダンパー効果が高まり(デフノイズでは不利でも)ロードノイズでは有利だそうで、リヤにデフのないFF車はリヤからのロードノイズ遮断が後輪駆動車よりかなりやりにくいそうです。(福野礼一郎)