SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)となったインプレッサ。言わずと知れたスバルの中心モデルである。インプレッサのサスペンションを見る。
スバルがSGPで目指したのは、世界最高水準の衝突安全性と動的質感の向上だ。もちろん、将来を見越したパワートレーンの電動化も想定している。走りに関しても、単に旋回性能が高いだけでなく、完成に響く走りの質感の向上を狙っている。
早くから全輪独立懸架サスペンションの採用を進めてきたスバルは、FF車主体ということもあり後輪にマクファーソン・ストラット形式を使うことが特徴であった。それも二分割ロワーアームとトレーリングリンクを組み合わせた、パラレルリンク式ストラットという独特なもので、アッパーアームの有無を除けば、現在のマルチリンクに近いジオメトリーを想定している。さすがに横剛性耐力には欠けるため、2007年登場の三代目インプレッサからはマルチリンクに変更してきた。
FRONT:マクファーソン・ストラット
形式は同じながら大胆に変更されたフロントサスペンション。アップライトはアルミ合金製とされ、サスペンションメンバーは見た目からして頑強なものとなった。水平対向エンジンゆえのアーム配置の制約を、ボディ側を中心とした剛性確保で何とかしようという意図が見受けられる。ダンパーユニットにはリバウンドスプリングを装備。
REAR:マルチリンク式
公式にはダブルウィッシュボーンとされているリヤサスペンション形式だが、思想的には明らかにマルチリンク。ナックルまで一体のアルミ合金アップライトの下部は、十字型にロワーアーム、トーコントロールリンク、トレーリングリンクが配され、ロワーアームアップライト側はピローボールジョイントとなっている。