ダイハツの新世代のクルマづくりの新技術「DNGA」。シャシーもエンジンもトランスミッションも一新する意欲的な技術群である。DNGAの第一弾は7月に登場する新型タントとなる。ここでは、アンダーボディ、シャシーについて解説する。
7月登場の新型タントからダイハツのクルマづくりが新世代へ移行する。DNGA(Daihatsu New Global Architecture)と呼ぶ新技術群がベースとなる。
DNGAのパワートレーンについては、すでにレポートしている。
今回は、中核となるプラットフォーム、シャシーについてレポートする。
今回のDNGAは、ゼロベースからの開発でプラットフォームに関するコンポーネントをすべて同時に刷新している。制約にとらわれずに10年後も各セグメントでトップレベルの性能が維持できることを目標に設計されている。
ここで、「各セグメント」と書いたが、DNGAは新型タントから採用が始まるが、「軽自動車専用プラットフォーム」ではない。
軽自動車・Aセグメント・BセグメントまでカバーするのがDNGAだ。ダイハツは、「軽自動車で最小単位を極めた上で小型車までの設計思想を共通化する『一括企画開発』手法を採用した」と説明する。このDNGAのプラットフォームの拡大した相似形で、軽自動車〜Bセグメントのクルマを作るということだ。
一括企画といえば、マツダのSKYACTIVテクノロジーと同じ考えと言える。この一括企画開発の効果で新型車の投入ペースを従来の約1.5倍にはやめ、DNGAをベースに2025年までに15ボディタイプ21車種を展開予定だ。
軽・Aセグ・Bセグそれぞれに、ハッチバック・セダン・SUV・MPVで12ボディタイプになるから、それ以外に3タイプの新車開発の予定があるということだろう。コペン(2シーターオープンカー)もDNGAで作るのだろうか。
現在ダイハツにSUVのラインアップは存在しないから、前回の東京モーターショーで発表したコンセプトモデル、DNトレックの市販車版などが登場すると予想できる。