もはやSUVというだけでは通用しない。求められるのは、強烈な個性とアイデンティティ。各メーカーは今、こぞって新種のクロスオーバーSUVを投入している。Q2、XC40、X2、そしてUX。方向性は違っても、それぞれが今まで以上に強いオリジナリティを発揮している点で共通している。ここでは、インパネ/シート/ラゲッジスペース/スペックなどを写真と数字で横比較してみたい。
REPORT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)(身長:173㎝)
レクサスUX200 “F SPORT”
全高:1540㎜
全長:4495㎜
ホイールベース:2640㎜
全幅:1840㎜
ミラーtoミラー:2070㎜
荷室開口高:810㎜
視線移動の少ない位置にモニターを設置し、手元で各種操作を完結できるインターフェースを実現。高級感の演出にも長け、ステアリングヒーターやシートベンチレーションなど便利なユーティリティも多数採用されている。
撮影車はオプションの「F SPORT」専用本革シートを装備。「F SPORT」はシート形状もスポーティで、ホールド性に優れる。後席スペースは膝前が約150㎜、頭上が約60㎜と、見かけによらない広さを確保。
正直なところ荷室の天地高は他車と比べても狭く、多少の割り切りは必要。それでもフロアの幅と奥行きは十分で、便利な床下収納も装備。後席には6対4分割可倒機構も備わり、用途に応じて荷室容量を拡大できる。
BMW X2 xDrive20i M Sport X
全高:1535㎜
全長:4375㎜
ホイールベース:2670㎜
全幅:1825㎜
ミラーtoミラー:2090㎜
荷室開口高:760㎜
BMW各車に共通するスポーティなインテリアを採用し、センターには8.8インチワイドディスプレイを装備。メーターは二眼フレームとTFT液晶を組み合わせており、オーセンティックな雰囲気と利便性を両立している。
「M Sport X」系は大きなサイドサポートも備わるスポーツシートを標準装備。撮影車はオプションの前席パワーシートも備えている。後席スペースは膝前が約150㎜、頭上が約50㎜でUXと似ており、想像よりもゆとりのある空間だ。
ルーフが低いため荷室開口部の上端もかなり低く、自転車のような大きな荷物を載せおろしするのは大変そう。とはいえ、大きな床下収納も備わるため容量は十分だ。後席格納は4対2対4の分割可倒式。
ボルボXC40 T4 AWD Momentum
全高:1660㎜
全長:4425㎜
ホイールベース:2700㎜
全幅:1875㎜
ミラーtoミラー:2035㎜
荷室開口高:750㎜
北欧のモダンリビングを思わせるインテリアには、9インチのタッチスクリーン式ディスプレイや12.3インチの液晶メーターなど先進デバイスも完備。癒し系のおしゃれ空間と便利なユーティリティを両立させている。
撮影車の「T4 AWDMomentum」はテキスタイル・コンビネーションシートを標準装備し、ブロンド(白)の内装色も設定されている。後席スペースは膝前が約140㎜、頭上が約80㎜と、天地方向の広さが際立つ。
通常時でもかなり広い奥行きを確保。大きな床下収納を備え、デッキボードを折り曲げると衝立としても使用できる。後席には6対4分割可倒機構とセンタースルー機構を備え、背もたれを倒す電動スイッチも装備。
アウディQ2 30TFSI sport
全高:1500㎜
全長:4200㎜
ホイールベース:2595㎜
全幅:1795㎜
ミラーtoミラー:2015㎜
荷室開口高:740㎜
水平方向に広がるアクセントラインを備え、エクステリア同様の個性的なデザインを実現。先進ユーティリティのMMIナビゲーションとバーチャルコックピット(液晶メーター)は、いずれもオプションとして設定。
「30TFSI sport」は写真のスポーツシートが標準装備。撮影車の場合はオプションのパーシャルレザー仕様となっている。後席は膝前が約110㎜と狭い反面、頭上は約60㎜と意外にゆとりがある。
コンパクトなボディながら、通常時のフロアはX2と比べても大差なく、必要十分な広さを確保。床下に工具を収めるトレーはあるが、収納としては事実上使えない。後席には6対4分割可倒機構を備える。