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エネットは、北九州市、北九州パワー、NTTスマイルエナジーと「環境・SDGsに関する連携協定」を締結し、その取り組みのひとつとして、自治体や企業のEVシフトを推進する新たなソリューションの開発に向けた共同実証を開始する。
EVへのシフトを円滑に行うためには、EVのコスト優位性の向上、環境負荷の更なる削減、EVシフトを加速するための利便性の向上が必要であり、これらの実現には、EV利用施設に閉じた運用や制御だけではなく、電力会社と自治体・企業が連携し、EVの持つ調整力のポテンシャルを最大限に引き出すことが重要となる。
本実証では、電力データ、再生可能エネルギー発電量、電力取引市場情報、気象情報等に基づく充電制御により、充電コストの最小化および地域再生エネルギーの有効活用の両立を目指す。さらに、第三者保有モデル(ソーラーPPA)により太陽光発電設備を無償設置し、停電時においても運用可能なEVインフラの実現、車両・充電器情報の一体管理による車両運用の効率化・高度化に取り組む。本取り組みは、SDGsの下記のゴール達成に貢献するものであり、将来的には、本実証で得られた知見・技術を面的に拡げることで、地域における充電コストの低減や環境負荷削減への貢献を目指す。
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実証内容
1.自動解析・充電器制御による再エネ発電量の安定化
再エネの出力制御抑制及び将来的な卒FIT電源の活用方法の確立を目的として、多様なデータを自動解析・制御し、再エネ発電量を安定化するためのアルゴリズムの開発・評価を行う。
2.自動解析・充電器制御による車両運用コストの抑制
業務用車両としてEVを採用した場合、自家用車と比較し走行距離が長いため、TCO(Total Cost of Ownership)に占める充電コストの割合が高くなる。電力情報、太陽光発電設備発電量、市場情報、気象情報、料金情報、設備情報等を自動解析し、最適な充電制御を行い充電コストを抑制するためのアルゴリズムの開発・評価を行う。
3.ソーラーPPAの導入による環境負荷削減効果と経済性の確認
ソーラーPPAにより、イニシャルコストをかけずに太陽発電設備を設置し、環境負荷削減効果及び電気料金への影響を検証する。
4.停電時に利用可能な充電インフラの構築
ソーラーPPAにより設置した太陽光発電設備とEV充電器を接続し、停電時も利用可能な充電インフラを構築する。
5.車両管理プラットフォームによる車両運用の効率化・高度化
EVについてもガソリン車同様に安全管理責任者としての管理が必要となる。EV独自の管理事項もあり管理業務の効率化・高度化が望まれている。本実証では車両管理プラットフォームを導入し、充電器・EVより各種ステータス・課金情報・要求事項を収集・分析するとともに安全管理責任者等に各種情報の配信・提供を行う。
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実証期間 :2019年6月から2021年3月まで
実証サイト:北九州市エコタウンセンター(北九州市若松区洋町10-20)
これまでエネットは、他社に先駆けてICTやAIを活用し、電気使用量の可視化、デマンドレスポンスサービス、省エネルギーサービス等に取り組んできた。本実証においても、エネットが保有する電力データ分析技術、最適化技術を活用し、環境・経済性に優れ、かつ受容性の高いソリューションの実現を目指す。