GMは、次世代の自動車や電気自動車、アクティブセーフティ、インフォテインメント、コネクティビティ機能の導入、そしてGMが開発した半自動運転システム「スーパークルーズ」の運転支援機能の進化などを実現するための基盤となる新世代車載デジタルプラットフォームを発表した。こうした多くの技術面の進化は、GMのビジョンである「無事故、ゼロエミッション、混雑ゼロ」の実現に向けた取り組みの根幹となるもの。
このデジタルプラットフォームは、2019年4月に北米で発表した2020年型セダン「キャデラックCT5」(日本導入時期は未定)向けに、今年末から生産を開始し、2023年までにはGMのラインアップの大部分に採用される予定。
今後5~10年の間に自動車産業と自動車が進化するにつれ、電気推進システムや運転支援機能「スーパークルーズ」、先進のアクティブセーフティ機能などをすべて連携して作動するためには、より広い電気帯域幅と高い接続性が必要になる。新しいデジタルプラットフォームでは、GMの現行の電気アーキテクチャと比べて5倍となる1時間当たり最大4.5テラバイトのデータ処理能力を備えている。このシステムを採用することにより、スマートフォンのような無線によるソフトウエア更新のための容量が増え、車のライフサイクルを通して機能のアップグレードを続けることができる。100Mbps、1Gbps、10Gbpsのイーサネット接続に対応するため、車内だけでなく車外との高速通信をいつでも行うことが可能だ。
また、サイバーセキュリティは、この新しいアーキテクチャのもうひとつの重要な柱となる。GMは、グローバル・プロダクト・サイバーセキュリティ組織を設立した最初の自動車メーカーであり、社内のエキスパートチームは、不正アクセスの潜在的リスクから車両や顧客データを保護することに注力してきた。このデジタルプラットフォームは、このような取り組みのもと、電気、ハードウエアおよびソフトウエアのエンジニアのチームによって、GMの世界各国の施設で開発された。システムのDNAには、GMがこの分野で早くから取り組みを強化してきたハードウエアおよびソフトウエアレベルでの特別な保護機能を搭載している。